それでも巨大野党は民主労総を擁護するのに忙しく、国家情報院から対共捜査権を剥奪したのに続き、国家保安法廃止まで主張しています。警察の対共捜査に使われる特殊活動費まで全額削減して0ウォンにしました。一言で言うと、スパイを捕まえるなということです。
昨年は中国人がドローンを飛ばして韓国の軍事基地、国家情報院、国際空港と国内の米軍軍事施設を撮影して、相次いで摘発されました。彼らをスパイ罪で処罰するためには法律を改正しなければなりませんが、巨大野党はかたくなに拒否しています。
国の核心的な技術を流出させる産業スパイも最近急増しています。半導体、ディスプレーなど、技術流出による被害額は数十兆ウォン(数兆円)に達していますが、3分の2が中国に流出します。中国は写真1枚だけ間違って撮影しても韓国国民を思い通りに拘禁する強力な「反スパイ法」を施行していますが、巨大野党は産業スパイを防ぐためのスパイ罪の法律改正さえ妨害しています。
また、巨大野党は防衛産業物資を輸出する際に国会の同意を得るようにする防衛事業法改正案を党方針として推進しています。防衛産業の秘密資料を国会に提出しなければならず、巨大野党が反対すれば、防衛産業物資の輸出もできなくなります。国会に提出された防衛産業秘密資料がきちんと保安維持され、敵対勢力に渡らないと誰が保障できますか? 防衛産業機密資料がこのように流出したら、相手国はわれわれの防衛産業物資を輸入しますか? 北朝鮮・中国・ロシアの望まない、自由世界への防衛産業の輸出をやめろ、と言っているのと同じです。
防衛産業の輸出は、単にお金を稼ぐだけではありません。輸出相手国と戦略的連帯を強化し、さらに自由世界の多くの国家と国防協力を成し遂げ、韓国の安保を堅固にすることです。これらの防衛産業の輸出を奨励するどころか、妨害することが、誰の役に立つのでしょうか?
巨大野党は韓国の国防力を弱め、軍を無力化することにも先頭に立っています。
北朝鮮はウクライナに兵力を派兵し、ロシアと軍事密着を図っています。私たちにとって非常に深刻な安全保障上の脅威です。にもかかわらず、これを探るために参観団を送ろうとすると、巨大野党は当時、申源湜(シン・ウォンシク)国防長官の弾劾まで使って脅迫し、これを決死的に阻止しました。
さらに巨大野党は、ウクライナ参観団の派遣、北朝鮮への拡声器や汚物風船への対応の検討など、韓国軍の正当な安保活動まで外患罪だと主張しています。国家と国民の安全を守ろうとする大統領を「戦争狂」と非難し、北朝鮮の核の脅威に対応する韓米日合同演習を「極端な親日行為」と罵倒しました。
1回目の大統領弾劾訴追案には、「北朝鮮・中国・ロシアを敵視したこと」が弾劾事由だと明記もしました。190議席に達し、議会で圧倒的な力を持つ巨大野党が、韓国と韓国国民の味方ではなく、北朝鮮・中国・ロシアの味方になっているのです。こうした状況が国の危機的状況でなければ何だというのですか?
これだけではありません。巨大野党は、中核となる国防予算を削減することでわが軍を無力化しようとしています。巨大野党は、全体の予算のうちわずか0.65%を削減しただけだと主張しています。しかし、その0.65%がどこであるかが重要なのです。まるで人の両目を取り除いて、体全体からわずかに目玉二つ抜いたと言うような話です。
巨大野党が削減した国防予算はわが軍の目玉と同じ予算です。北朝鮮の核やミサイル基地を先制打撃する「キルチェーン」の中核となる偵察資産の予算を大幅に削減しました。核心戦力である位置偵察事業の予算を2024年比で4852億ウォン(約490億円)減額し、戦術データ・リンク・システムの性能改良事業はなんと78%削減しました。韓国国民に向けて飛んでくるミサイルを迎撃するKAMD、つまり韓国型ミサイル防衛システムの構築も予算削減で開発が中断される危機です。長距離艦対空誘導弾事業のために予算119億5900万ウォン(約12億円)を策定しましたが、96%削減し、4億ウォン(約4000万円)だけ残しました。精密誘導砲弾の研究・開発事業は84%削減しました。どんなに拳が強くても前が見えなければ戦えないように、監視偵察資産がなければどんなに良い武器でも無用の長物です。
その上、最近北朝鮮のドローン攻撃が最も大きな脅威として台頭していますが、ドローン防御予算100億ウォン(約10億1100万円)のうち、何と99億5400万ウォン(約10億700万円)を削減して、事業を完全に中断させました。
一体誰の指示を受けて、こんなに核心予算だけを選んで削減したのか気になるほどです。
(中)に続く。