北朝鮮の核の脅威と韓国軍の兵力急減を解決するカギは「国防AI」

 国防AIは、未来戦で速やかな実戦対応と関連して強調されている、いわゆる「OODAループ」において核心となる役割を果たす。OODAループとは、観察(Observe)→認識・状況判断(Orient)→決定(Decide)→行動(Act)で構成される一連の過程のことを指す。北の核・ミサイルの脅威に対応する「キルチェーン」に適用すると、探知-決心-打撃のプロセスだ。これを韓国軍の目標通り30分以内に実現しようと思ったら、可能な限り素早く北朝鮮の移動式ミサイル発射台を探知し、どの発射台をたたくか決定した後、弾道ミサイル・戦闘機・無人機などで打撃しなければならない。

 問題は、探知すべき北朝鮮の移動式ミサイル発射台など標的の数が大幅に増えており、これに関する膨大な情報が洪水のように押し寄せるだろうという点だ。かつて、韓米が追跡しなければならない移動式ミサイル発射台の数はおよそ100基といわれていた。だがKN23・24など新型ミサイルや超大型放射砲(多連装ロケット砲)などの登場で、現在その数は200基以上に増えているといわれる。しかも、相当数のミサイル発射車両は偽装されていたりトンネルなどに隠れたりして、奇襲的にミサイルを発射するものと予想されている。

 2024年以降、大型偵察衛星5基(425事業)はもちろん数十基の超小型偵察衛星がもたらす膨大な情報を速やかに処理しなければならいことも、大きな挑戦課題だ。偵察衛星は通常、縦横それぞれ10キロ区切りで撮影を行うが、あまりに広いため、地域別に拡大してみなければ目標物の識別は難しい。縦200メートル、横300メートル程度のサイズの地域に細分化してようやく、きちんと識別ができるという。その場合、10キロずつ撮った1枚の写真から1650枚の細部拡大写真ができる。偵察衛星が10キロ単位の写真を1日に500-1000枚撮るとすると、細部拡大写真は8万2000枚から16万5000枚にも達する。細部写真1枚當1分しかかけなくても、写真判読に1375-2750時間が必要だ。映像専門判読官100人が付きっきりでも13-27時間かかる規模で、人間の能力では迅速な処理は不可能、という話になる。

【図】国防人工知能(AI)開発推進戦略

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