しかし国際社会は北朝鮮の要求に応じる考えがないことをすでに明確にしている。米国、日本、オーストラリア、インドの4カ国連合体「クアッド(Quad)」首脳は24日(現地時間)、北朝鮮に対し「完全な非核化」を促す共同声明を発表した。米国のバイデン大統領など4カ国首脳はこの日午後、ワシントンのホワイトハウスで行った初の対面首脳会議後の共同声明で「われわれは国連安全保障理事会の決議に基づき、北朝鮮の非核化に向けたわれわれの意思を改めて明確にする」とした上で「北朝鮮に対して国連の義務条項順守と挑発の自制を求める」と要求した。
国連安保理の北朝鮮決議案は「北朝鮮は完全かつ検証可能、不可逆的な形で全ての核開発を放棄(CVID)し、弾道ミサイル発射やその他の大量破壊兵器(WMD)も放棄せよ」と要求している。国際原子力機関(IAEA)も第65回総会最終日のこの日、北朝鮮に対し「核の放棄(CVID)」を強く求める決議案を採択した。この日行われた総会でカナダ代表は「北朝鮮は核保有国としての地位は得られない。これを一致したメッセージとして送るべきだ」と主張した。
金与正氏は25日に発表した談話の中で、最近行った新型ミサイル発射などについて「自衛権の次元での行動」と主張した。その一方で韓米連合訓練などを念頭に「米国と南朝鮮は自分たちによる軍備増強活動を『北朝鮮に対する抑止力確保』と美化しているが、これは非論理的なダブルスタンダードだ」と指摘した。しかし金与正氏のこの主張は前後関係をひっくり返したこじつけだ。韓国経済社会研究院安保センターのシン・ボムチョル所長は「北朝鮮に対する制裁は北朝鮮による核の脅威を阻止するために決議された」「韓半島の安全保障に脅威となる北朝鮮への対応を最初からダブルスタンダードと主張するのは賊反荷杖(盗人たけだけしい)だ」と反論した。