韓国政府も「原因不明」…がんで60人死亡、焼却場集落のミステリー /清州

■環境団体と北二面住民は再調査要求

 環境部の調査結果発表に対し、住民らは「環境部が業者に免罪符を与えたとしか思えない。地域住民は環境部の発表を認めることはできない」と声を荒げている。

 北二面の住民協議体は5月24日、声明で遺憾を表明した上で、「被害を受けた期間は20年なのに、10億ウォン(約1億円)の予算と1年の健康調査では限界がある」と指摘。「焼却汚染物質とされる多環芳香族炭化水素とクロムなどが極めて高い濃度で検出されたにもかかわらず、こうした結果が出たことは受け入れられない」と主張した。

 今月2日には微小粒子状物質解決のための忠北市民対策委員会と北二面の住民が環境部前で記者会見を開き、「環境部が発表した北二面の住民健康影響調査の結果には納得できない」と訴えた。

 住民らは「北二面で過去10年に60人ががんで死亡しているにもかかわらず、環境部は焼却場と住民のがん発生の関連性はないと発表した。ダイオキシン、カドミウムが比較地域よりも高く検出されるなどさまざまな疑惑があるにもかかわらず、環境部は焼却業者に免罪符を与えるための政治的判断に基づき、急いで調査を終えた」と指摘した。

 また、2017年にチンジュ産業(現クレンコ)が第1級発がん物質であるダイオキシンを基準値の5倍以上の濃度で排出していたことが摘発されたとし、「調査過程では設備容量の違法増設と焼却過多などさまざまな問題点も見つかった」と強調した。

 住民らは「20年にわたり住民は少しずつ死んでいっている。20年かけて蓄積された被害を調査官13人が1年3カ月という短い期間に調査するのでは力不足だ」とした上で、「専門家グループの諮問を経た再調査を実施すべきだ」と要求した。

■韓国人の死因7位は認知症、1位は?

シン・ジョンフン記者
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  • ▲忠清北道清州市北二面の焼却場/シン・ジョンフン記者
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