韓国造船業の現場が再び活気を帯びている。工場稼働率が上昇し、採用が増え、造船業に依存してきた地域経済にも復活の兆しが見え始めた。
■韓中日の「造船競争」、技術で勝負
ドックで建造中の燃料タンク室に入った。9%ニッケル鋼で建造したという体積1万2000立方メートルの超大型タンクが見えた。LNGは船舶用ディーゼル油に比べ汚染物質の排出が少ないため、LNGコンテナ船は環境規制を回避したい全世界の船主が争って発注している船舶だ。しかし、LNGをマイナス163度以下で保管しなければならないため、扱いが困難だ。現代三湖重工業のイ・スンファン常務(事業企画担当)は「ニッケルを含むLNGタンクを溶接する場合、一般的な溶接技術は使えない。この技術では韓国が圧倒的に強い」と説明した。
2010年前後の過去最大の好況を経験した韓国造船業は16年、受注の激減に直面した。原油安と不景気で船舶の発注が減少したことに加え、中国の造船会社による安値受注で直撃を受けた。反撃のきっかけは19年末、国際海事機関(IMO)が25年までに船舶の温室効果ガスの排出量を08年に比べ、少なくとも30%削減するという基準を示したことだった。船主が価格よりも技術力に注目し、再び韓国の造船会社に発注するようになったのだ。韓国造船業界関係者は「中国の造船会社が受注したLNGコンテナ船は頻繁に故障を起こす。韓国造船業の技術力が注目を浴びる契機になった」と話した。