韓国南西部・全羅南道霊岩郡にある造船大手、現代三湖重工業を4月21日に訪れた。面積70万坪の工場にある3つのドックには超大型の液化天然ガス(LNG)コンテナ船、液化石油ガス(LPG)タンカー、ばら積み貨物船など8隻がびっしりと並び、建造作業が同時に進んでいた。通常はドック1カ所で2-3隻の建造作業を同時に進める。LNGコンテナ船の周辺には新たに建造される船舶に使われる鋼材をモジュール状に切断する作業が慌ただしく進められていた。1年前には造船業不況にコロナが重なり、3つのドックが全て稼働する日は珍しかった。最近は状況が一変した。昨年下半期から米中の景気が急速に回復し、世界的に船舶の発注が増えた。韓国の造船各社が相次いで契約を獲得し、ドックが空き次第、船が次々と入ってくる。現代重工業グループの造船系列会社である現代重工業(蔚山市)のドック7カ所、尾浦造船所(同市)のドック4カ所も満杯だ。現代三湖重工業の韓政東(ハン・ジョンドン)専務は「ドック全体がフル稼働するのは数年ぶりではないか」と話した。
造船所から約8キロメートル離れた大仏産業団地(霊岩郡)には、造船資材業者が300社余り集まっているが、3-4年閉鎖されていた工場が30カ所以上ある。閑散としていたこの産業団地にも変化が起き始めた。従業員を募集する企業が出始めたのだ。船室内部の設備を生産する業者は「2016年に全社員250人余りのうち半分を解雇したが、今回5年ぶりに新規採用を行う。昨年末から注文が少しずつ増え、期待される」と話した。大仏産業団地の2月のフルタイム雇用人数は前年同月に比べ1.4%増えた。