おしゃべりするとにらまれ、つり革を握るとドキッ…韓国社会を覆う公共交通機関恐怖症

■公共交通機関による移動時の感染を恐れる市民

 ソウル市が12日に発表したところによると、武漢コロナの発病以前と比較したところ、平日を基準にした先週(3月2-6日)の地下鉄(1-9号線)利用客は37%も減少した。地下鉄だけではない。ソウル市内の路線バス利用者も、平日同じ期間で32.1%減少した。今月8日に起こった九老区コールセンターでの集団感染の影響で、公共交通機関の利用客が半分に減るとの見通しも出ている。在宅勤務の普及や全般的な「社会的距離を置く」運動の影響もあるだろうが、市民らが武漢コロナへの感染を懸念し、できるだけ公共交通機関の利用を控えているのも一因だ。

 この日動線が公開された九老区コールセンターと関連する感染者20人の地下鉄利用パターンを本紙が分析したところ、半分の10人は1号線を利用して職場に通っていた。仁川と京畿道富川から出勤する職員がほとんどだった。地下鉄2号線で新林駅と新道林駅を行き来していた職員、1号線の倉洞駅と九老駅を行き来していた職員もいた。事実上「首都圏地下鉄の全ての駅が動線」と言われるのはそのためだ。地下鉄など公共交通機関の利用に対する恐怖がさらに高まっているのもこれが理由だ。

 このような状況を受け、感染のリスクを減らすため市民は公共交通機関の利用を避けたり、徹底した備えを行ったりしている。キム・ヒョンシクさん(42)は「専業主婦の妻が今月10日から毎日、楊坪洞の自宅から汝矣島の会社まで車で送ってくれた」と語る。この日、新道林駅から仁川方面に向かう地下鉄を利用していた乗客は、立った状態でマスクを着用し、登山用手袋、綿の手袋、医療用ラテックス手袋などをした手でつり革を握っていた。

【写真】朝の新道林駅、マスク姿で出勤する市民たち

ヤン・ジホ記者
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  • ▲ソウル地下鉄2号線江南駅のホーム。12日撮影。/NEWSIS

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