おしゃべりするとにらまれ、つり革を握るとドキッ…韓国社会を覆う公共交通機関恐怖症

コロナ集団感染の影響でソウル市内の地下鉄やバスの乗客が最高で37%急減

防疫当局「感染者の飛沫(ひまつ)がなければ感染の可能性はほぼない」

 12日、職場から退勤する時間、ソウル地下鉄新道林駅、九老駅に向かう地下鉄1号線の列車内でマスクをしていない女性二人が立って会話していたところ、近くに座っていた乗客たちが席を移動し始めた。一部は隣の車両に移動した。

 乗客らの視線を感じた二人は会話をやめた。席に座っていなかった約30人の乗客のうち、つり革や手すりを握っていた人はわずか3-4人にすぎなかった。腕組みしたりポケットに手を入れたりしていた。習慣的につり革を手にしてすぐ離す人もいた。冠岳区に住むパク某さん(52)は「つり革を握ったら武漢コロナがうつるかもしれないが、無意識につり革を取るかもしれないので、手をポケットに入れている」と話した。乗客らは隣の車両に移動するときも、自動ドアのボタンを指では押さず、肘などを使った。武漢コロナウイルス感染症が首都圏に広がったことで起こった「公共交通機関フォビア」(phobia=恐怖症)の現場だった。

 この日、九老区コールセンターでの集団感染で感染が確認された市民は前日よりも10人増え109人になった。コールセンターがあったコリア・ビルディングの9階と10階ではそれぞれ1人ずつ感染していた。11階のコールセンター職員ではない別の階にいた人の感染が確認されたのはこれが初めてだ。京畿道富川市では、コールセンター職員が8日に礼拝に参加した教会で4人が新たに感染した。残り4人の感染経路は明らかになっていない。ソウル市によると、このビルの13-19階のオフィステル(住居兼用オフィス)に住む住民200人は全員が陰性だった。

【写真】朝の新道林駅、マスク姿で出勤する市民たち

ヤン・ジホ記者
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  • ▲ソウル地下鉄2号線江南駅のホーム。12日撮影。/NEWSIS

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