「日本から学ぼう」という動きも起こった。カン・ハンは農民と武士を分離して軍事力を養う日本のように、朝鮮も兵農を分離して職業軍人を養成し、長期間服務する「久任」の制を実施しようと提案した。朝鮮王朝のローテーション補職制度は地方官の搾取を助長しているとして、日本のように一つの職責を長く務めるようにしたり、あるいは終身制を導入したりして、責任行政を実現しようという主張も持ち上がった。朴斉家(パク・チェガ)は『北学議』において、「日本が富み、軍事力が強くなったのは、十分に外国と交通するから」だとして、日本を手本として通商に乗り出すべきだと記した。著者は、こうした提案が実現し得なかったところに残念な思いが残る、と指摘した。
本書を読んで、歴史は繰り返すと思わずにはいられない。関ケ原の戦いや大坂夏の陣で徳川方の東軍に敗れた豊臣勢力は、歯を食い縛って時を待ち、遂に明治維新を起こして江戸幕府を倒した(原文ママ)。薩摩・長州の両藩が主軸となった明治政府は、最後には朝鮮を飲み込み、それまでの和解の努力を水の泡にしてしまった。彼らは今も日本政治の中心を形成している。安倍首相も山口出身だ。日本の旭日昇天を叫ぶ彼らに、江戸時代の和解精神を学べと勧めたい。444ページ、2万5000ウォン(約2520円)。
金泰勲(キム・テフン)記者