自由韓国党の鄭亮碩(チョン・ヤンソク)議員の事務所によると、今年2月に北朝鮮が金剛山合同文化イベントを一方的にキャンセルした影響で、韓国では1億8000万ウォン(約1800万円)の予算が無駄になったという。
これとは別に北朝鮮は国際通貨基金(IMF)に加盟する意向を明らかにするなど、最近は国際社会に対して積極的に投資を呼び掛けている。北朝鮮社会科学院経済研究所の李基成(リ・ギソン)教授は「制裁が解除されれば、(北)朝鮮もスイスやシンガポールのような国を参考に開発に乗り出すことができる」と述べ、米国などによる「敵対政策の放棄」を前提にIMFに加入する意向を明らかにした。
北朝鮮は1986年に後の総書記金正日(キム・ジョンイル)氏が掲げた「わが民族第一主義」と呼ばれる方針を、今年4月の板門店宣言以降は「わが国家第一主義」へと変更していた。これは北朝鮮社会科学院の定期刊行物『哲学・社会政治学研究』2018年2号に掲載されたソ・ソンイル同研究員の論文「金正恩(キム・ジョンウン)同志が明らかにされたわが国家第一主義に関する思想」の中で説明されている。核保有によって確保した戦略的地位に基づき、従来の「わが民族同士」から独自の経済・文明強国を目指す方針に転換したという趣旨だ。
京畿大学の南柱洪(ナム・ジュホン)教授は「核保有国を意味する『戦略的地位』を今後も維持しながら、経済発展を同時に成し遂げるという路線ではないか」との見方を示した。韓国の国立シンクタンクのある関係者は「国際社会が北朝鮮に要求する核廃棄とは正反対だ」と指摘した。