先月平壌で行われた南北首脳会談の際、北朝鮮・祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長は特別随行員として訪朝した韓国企業のトップらに対し「冷麺がのどを通るのか」(編注:周囲の空気を読まずに食事する人をなじる言葉)などと面と向かって皮肉を言い、侮辱していたことが後から分かった。保守系野党・自由韓国党の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員は29日、国会外交通商委員会の統一部(省に相当)に対する国政監査で「(南北首脳会談が行われた際)平壌の有名レストラン・玉流館で韓国企業トップらが冷麺を食べているところに李善権氏が突然現れた」とした上で、その席で李氏が上記のように述べたとの報告を受けたと明らかにした。統一部の趙明均(チョ・ミョンギュン)長官も「そのような話を聞いた」として事実関係を認めた。当時、李氏と同じテーブルには北朝鮮から平壌市朝鮮労働党の金能五(キム・ヌンオ)委員長、韓国からは韓国経営者総協会(経総)の孫京植(ソン・ギョンシク)会長、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長、大韓商工会議所の朴容晩(パク・ヨンマン)会頭、LGグループの具光謨(ク・グァンモ)会長らが座っていた。
国政監査で鄭議員が「なぜそのような侮辱を受けたのか」と質問したのに対し、趙長官は「北朝鮮は南北関係を速やかに進展させたいという思いがある」と答弁した。鄭議員は「財閥のトップらは経済協力について話ができる立場でもないはずだ。侮辱は意図的なものではないのか」「国民のプライドを傷つけないでほしい」などと訴えた。自由韓国党の金武星(キム・ムソン)議員が「あの礼儀も知らない男(李善権氏)を懲らしめるべきだ」と指摘すると、趙長官は「私もその話を後から聞いた。詳しい事情を聞くべきだと思った」と述べた。