左翼陣営は、文大統領が最近規制改革に乗り出したことで、「大企業配慮型路線」への転換として、一斉に反発し始めた。文政権としても経済的な難局を打開するために、規制緩和は避けられない状況なわけだが、文大統領の「改革」はスタートラインから壁にぶち当たっている。理念の色を塗りたくり、権力を自分勝手に使用すればするほど、経済は常にうまく回らなかったものだが、その歴史は今でも繰り返されているようだ。文大統領は、やがて米国との関係でも終戦宣言や在韓米軍などの問題で、再び陣営内の反米路線と衝突するかもしれない。北朝鮮の側に付くのか、米国の側にとどまるのかを巡り、文大統領と文大統領の支持層は路線闘争を経験することになるだろう。
興味深いことは、「盧武鉉政治」について語る際に、右翼も左翼も皆が逸脱の兆候として、FTAを取り上げ、イラク派兵について触れ、済州軍港を問題としたように、後日「文在寅政治」について語る際は、おそらく銀産分離(産業資本による銀行株式の所有を制限する制度)など「規制緩和」を取り上げるかもしれない。ただ盧武鉉元大統領はこれらを全てやってみせたが、文大統領はそれさえも全うできるかどうか時間をかけて見守るべき時だ。
金大中(キム・デジュン)顧問