■教師の99%「生徒指導は難しい」
こうした事情のため、教師らの間では生徒たちの生活指導を諦める雰囲気が拡散している。首都圏の高校で生活指導部長を務めるDさんは「生活指導部長はどの教師も引き受けたがらず、くじ引きで決めている。誰もが避けたがる生活指導部は、そのほとんどが契約制の教師に任せるのが現実」と現場の事情に触れた。Dさんは「生徒の人権に対する概念を過って理解した一部の生徒たちが『授業時間に寝たり食事したりする権利』を叫びつつ食って掛かってきても、教師には制止するすべがない」と頭を抱える。
昨年10月、韓国教総が全国の幼・小・中・高などの教師1196人を対象に実施したアンケート調査で、回答者の98.6%(1179人)が「昔に比べて生徒たちの生活指導がやりにくくなった」と回答した。その理由として「生徒の人権条例など生徒の人権を強調したことで表面化した教権の相対的弱体化」(31.3%)を挙げた回答者が最も多かった。教師の適切な指導権の不在(30.2%)、自分の子どもだけをかばう父兄(24.9%)なども主な理由として挙げられた。