このような状況となった背景には、コロナの感染が長期化し、そのような中でビザが期限を迎えた外国人労働者たちが本国に帰ったにもかかわらず、一方でコロナの影響で外国人労働者の新規の入国が制限されている事情がある。実際に法務部の統計によると、農業や製造業などで働く非熟練外国人労働者が主に受ける「E9」のビザを所持する韓国国内の外国人の数は2019年には27万6553人だったが、今年7月には21万9570人へと20%以上も減少した。外国籍を持つ韓国系が韓国で就職する際に発給されるH2ビザの所持者もこの期間に22万6322人から13万8960人へと40%近く減った。韓国政府は農村での人手不足解消のため今年前半に外国人の短期労働者5300人の入国を認めたが、コロナの影響で実際に韓国に来た外国人はそのわずか7.8%にとどまった。
全国の地方自治体では「外国人労働者への求愛」に乗り出している。外国人労働者への依存度が高い江原道では今年に入って外国人労働者の居住環境改善に12億1100万ウォン(約1億1400万円)の予算を支援した。江原道楊口郡のある農場では寮をリフォームし、エアコンやオーブンなどの家電製品まで準備した。鉄原郡のある村では住民が村の空き家を修繕し、食料品やコインランドリーなどが準備された「外国人労働者居住施設」を来年9月まで運営することにした。
しかし今の状況では外国人労働者の人手不足が短期間で解消するのは簡単ではなさそうだ。中小企業中央会外国人力支援部のソン・ソンウォン部長は「激励施設を準備するなど、コロナの感染予防と同時に外国人労働者の入国許可拡大を急いで検討すべきだ」と語る。江陵原州大学多文化学科のキム・ギュチャン教授は「外国人労働者の数を増やすことも重要だが、住居の管理、労働環境や福利厚生施設の改善などを通じ、今いる外国人労働者の離脱を防止することも重要だ」と指摘した。