コロナの長期化で外国人労働者の新規入国が大きく減り、農家や工場などでは「労働者争奪戦」が起こっている。影響で外国人労働者の「価値」が上がり、農家などでは「違法滞在でもいいからとにかく外国人に来てほしい」という状況になった。
全羅南道霊岩郡で大手企業の下請けとして船を製造しているある工場では、コロナ前は全作業員100人のうち25人が外国人だった。ところが今も残っている外国人労働者は15人しかいない。短い場合は3年、長くても最大4年10カ月となっている韓国での就業ビザが満了し、外国人労働者たちは本国に帰ったか違法滞在者となってしまったからだ。コロナ初期は船舶の発注がほとんどキャンセルとなったが、最近は再び急激に増加している。この工場の関係者は「本当なら違法滞在者でも誰でも連れてきて雇いたいが、元請けが大手なので摘発されれば契約が取り消されるかもしれない。非常につらいところだ」と語る。
韓国人が嫌ういわゆる「3D(3K)」の仕事を引き受ける外国人労働者の価値が急上昇している。霊岩郡の大仏国家産業地区で取材した中小企業の複数の経営者によると、外国人溶接工の日当はコロナ前は韓国人の70%ほどだったが、最近は90%にまで上がったという。ある経営者は「韓国人溶接工の日当は約15万-16万ウォン(約1万4000-1万5000円)ほどだが、最近は外国人も13万-14万ウォン(約1万2000-1万3000円)はかかる」と述べた。工期に合わせるには週60-65時間は作業しなければならない状況が繰り返されているため、外国人労働者からは給与引き上げの要求も相次いでいる。外国人労働者に依存する零細工場などからは「1日でも早く外国人労働者がもっと来てくれなければ飢え死にするしかない」といった声も出始めている。