アルトン議員は「英国は韓半島における平和と人権を増進するため長い間努力してきた。女王は6・25の際、数万人の英国兵を派遣して犠牲を甘受した。これも同じ理由だ」とした上で「韓国政府が今回の法案を再考できるよう、英国として努力するよう希望する」と訴えた。これを受け英国政府も近く今回の法案を批判する声明を発表するとみられる。
今月14日の国会本会議で韓国与党・共に民主党を中心に対北ビラ禁止法案が可決してから1週間が過ぎたが、米国をはじめとする国際社会からこの法案を非難する声が徐々に高まっている。ロバート・キング元国務省北朝鮮人権特使はAPPG NKが先日主催した聴聞会において「対北ビラ禁止法は米国で支持を得られていない」とした上で「韓国の文在寅大統領は法案への署名拒否を検討すべきだ」と述べた。オーストラリアで最高裁裁判官を務め、国連の「北朝鮮における人権に関する調査委員会(COI)」の委員長だったマイケル・カービー氏は「米国人が強調し続けているのは、言論・出版・集会の自由を保障した修正憲法第1条だ」として「ビラ禁止法のような措置は、米国のバイデン政権の政策と衝突を起こしかねない」と懸念を示した。
これに対して民主党はこの日、報道官名義のブリーフィングで「対北ビラ散布規制は大韓民国国民の生命と安全を守るための最低限の装置だ」「米国政界の一部から出ている偏狭な主張に対しては深い遺憾を表明する」とコメントした。「南北関係の特殊性を全く理解できていない発言」「同盟国に対する礼儀ではない」「米国の対北ビラ後援金が正しく使われているかをまずはチェックせよ」などの反論も出た。今回の法案を巡って米国では「文在寅政権における民主主義」を根本から疑う声も出始めていることから、民主党は神経質な反応を示しているのだ。これに先立ち韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官も米CNNテレビの番組に出演した際「表現の自由は絶対的なものではない」との考えを示した。