その李さんが「尹美香(ユン・ミヒャン)が国会議員をやってはならない」と発言した。「30年間、慰安婦被害者は利用されてきただけだった」と言うのだった。日帝に強制動員された慰安婦、勤労者の家族会である太平洋遺族会も「李さんの発言は全て正しい」と主張した。尹氏が国会議員になったのは慰安婦運動のおかげだったが、慰安婦被害者は尹氏にはその資格がないと言う。
2018年1月4日、慰安婦被害者を招いた昼食会で、文大統領は「慰安婦被害者の意思に反する慰安婦合意に大統領として謝罪する」と述べた。朴槿恵(パク・クンヘ)政権下の15年の韓日合意について、代わりに謝罪したものだった。そして、同年11月、韓日合意に基づく和解・癒やし財団は解散された。事実上の合意破棄に等しい。文大統領は国民に何度も謝罪した。済州島4・3事件、ベトナム戦争への国軍参戦、在日同胞スパイ事件、5・18(光州事件)、釜山・馬山抗争強制鎮圧…全てが過去の政権下での出来事だった。表面は謝罪だが、実際は前政権に対する批判だ。文大統領は「慰安婦被害者の意思に反する」与党議員の選出には謝罪しない。謝罪どころか正そうともしない。大統領が政権与党の議員を辞任させることは国家間合意の破棄よりも難しいことだろうか。
文在寅政権は慰安婦被害者の故・金学順さんが初めて被害事実を証言した8月14日を「慰安婦被害者を偲ぶ日」に制定した。18年8月14日の初の記念式にも李容洙さんが招かれた。当時大統領は「慰安婦問題は被害者の心の傷が癒えるまで解決しない」と発言した。李さんは最近、尹氏のせいでつらい。「馬鹿みたいにしてやられ、これまで何も言えなかったのかと思うと、寝ても覚めても泣いていた」と話した。文大統領はその傷を見て見ぬふりし、「青瓦台を巻き込むな」と言う。