米国防総省が最近、「暫定国家防衛戦略指針」で「中国による台湾侵攻の阻止」を最優先事項に指定したことが確認され、韓半島に関連する米国の安全保障政策にも変化が加えられるとの見方が出ている。これまで対北朝鮮抑止に重点が置かれていた在韓米軍の任務が、台湾防衛や対中国抑止などに拡大され、それに伴い韓国軍の対北朝鮮対応態勢の負担が増す可能性があるというわけだ。また、米国が近いうちに、在韓米軍駐留経費の韓国側負担額の引き上げや、韓国の国防費増額を要求する可能性も高まっている。
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米紙ワシントン・ポストによると、最近国防総省に配布された戦略指針では、優先順位で「中国による台湾侵攻・占領の阻止」が最高ランクに引き上げられ、人員や資源の制約を考慮すると「それ以外の地域での危険を甘受することになるだろう」とされている。「欧州・中東・東アジアの同盟諸国がロシアや北朝鮮、イランなどのリスク抑止において大部分の役割を担うようにするために、国防に一層多くの費用を支出するよう圧力をかける」との内容も書かれている。
専門家らは「インド・太平洋地域を歴訪中のピート・ヘグセス国防長官が、今回の指針に関する報道を通じ、韓国にも政策の変化があるというシグナルを送ってきたものだ」と分析した。金聖翰(キム・ソンハン)元国家安保室長は先月31日、本紙の電話取材に対し「トランプ政権は、在韓米軍であっても在日米軍や在オーストラリア米軍であっても、(どこに駐留していても)米国の究極のターゲットは中国だということを明言している」とした上で「中国が台湾を侵攻すれば、米国が必ず介入するはずで、韓半島もその波風に間違いなく巻き込まれる」と指摘した。在韓米軍の役割が、対中抑止策などによって調整される可能性があるというわけだ。