日本は韓国のパスポート保有率が40%台だと分析しているが、実際は60%に上っていることが分かっている。2024年12月31日基準で、韓国の有効パスポート数は3121万5077冊だった。外交官や官用、緊急、旅行証明書、単数旅券(1年間の有効期間内に1往復できる旅券)はこれに含まれていない。現在、韓国の人口は5168万人であることから、韓国のパスポート保有率は60%となる。韓国国民の5人に3人が海外に出られるパスポートを持っているということになり、これは日本が把握した40%を上回る。コロナ禍以降、新規パスポートの発行数が大幅に増え、パスポート保有率も急増したことに起因する。それだけ韓国人が頻繁に海外旅行しているということを意味している。19年に2871万人だった海外出国者数は、コロナ禍の時期に急減したものの、24年には2868万人とコロナ禍以前の水準にまで回復。今年はこれを大幅に上回るものと見られている。
韓国の海外出国者数は増えたものの、韓国の若者の海外留学生数は減っている。だからといって、日本のように韓国の若者の海外留学や就職への意識が低下しているわけではない。中国に対する否定的な認識が拡散し、中国に留学する学生が大幅に減ったためだ。今年初めに教育部(日本の省庁に当たる)が公開した「2024年国外高等教育機関韓国人留学生現況」によると、海外の大学で学位課程に籍を置いているか語学研修をしている韓国人留学生数は23年に比べて3800人(3.1%)増の12万6891人となった。しかし、17年の23万9824人に比べると半数の水準だ。海外留学をしても就職にあまり役立たず、学業年数が長くなることで就職の時期を逸してしまう恐れがあるといった認識のためだという。
国別には米国が4万3847人と全体の34.5%を占め、2位の日本は1万5930人、3位の中国は1万4512人だった。2017年は中国に留学した韓国人留学生が7万3240人と、米国の6万1007人よりも多かった。コロナ禍の終息後、米国と日本に向かう留学生数はある程度回復したものの、中国は引き続き下落基調にある。若い世代の反中情緒とともに米中貿易紛争や、中国から韓国企業が撤退していることも、中国への留学生の減少に影響を与えている。