ホーム > 社会 > 裁判 print list prev

「違法ではない」「重大ではない」 文炯培・憲法裁所長代行ら進歩派裁判官も韓悳洙首相の弾劾棄却に加勢

【韓悳洙首相の弾劾棄却】憲法裁、韓悳洙首相の弾劾をなぜ棄却したのか

 憲法裁判所の韓悳洙(ハン・ドクス)首相弾劾審判の宣告結果は「棄却」5人、「認容」1人、「却下」2人と三つに分かれた。却下の意見を出した鄭亨植(チョン・ヒョンシク)、趙漢暢(チョ・ハンチャン)裁判官は、訴追事由に対する判断は別に行わなかったが、棄却・認容意見を出した残る6人の裁判官は各事由について細かいところで異なる判断を行った。

【裁判官一覧】「認容」1人「棄却」5人「却下」2人

 国会が韓国首相を弾劾訴追した事由は▲国会推薦の憲法裁判官候補者の任命を拒否▲内乱常設特別検察官の任命を回避▲尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の内乱行為を共謀・黙認・ほう助▲金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人特検法などを拒否▲与党との「共同国政運営」の試み-という5点だった。

■鄭桂先・金福馨裁判官が「正面衝突」

 裁判官の意見が克明に分かれた争点は、韓首相が国会の推薦した憲法裁判官候補者3人(馬恩赫〈マ・ウンヒョク〉、鄭桂先〈チョン・ゲソン〉、趙漢暢〈チョ・ハンチャン〉)を任命しなかったことだ。これを巡って、鄭桂先裁判官と金福馨(キム・ボクヒョン)裁判官の二人が正面衝突した。

 鄭桂先裁判官は、韓首相の憲法裁判官任命拒否で「憲法裁が担当する正常な役割と機能すらきちんと作動し得なくなくする憲法的危機の状況を招来した」として罷免を主張した。また、「憲法裁が大統領弾劾審判を審理することになるや、これを遅延させたり妨害したりしようとする与党の意向を考慮したもの」と指摘した。

 逆に金福馨裁判官は「大統領に任命権行使の義務があるとしても、裁判官を選出した後『即時』任命すべき義務があるとは見なし難い」とした。国会が選出した裁判官候補が資格要件を満たしているかどうか、選出の過程に瑕疵(かし)はないかどうかなどを慎重に確認しなければならないだけに、すぐに任命しなかったからといって候補の任命を拒否したと断定はできない、という論理だ。

 これについて、棄却の意見を出した文炯培(ムン・ヒョンベ)・金炯枓(キム・ヒョンドゥ)・李美善(イ・ミソン)・鄭貞美(チョン・ジョンミ)裁判官は「国会が選出した3人を裁判官として任命すべき憲法上の具体的義務に違反した」としつつも「憲法裁を無力化する目的や意志に基づくものとみるべき客観的資料はない」と見た。一部に違憲・違法事項はあるが罷免に至るほどではない、という判断だ。

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲鄭桂先・金福馨憲法裁判官(写真左から)
  • 「違法ではない」「重大ではない」 文炯培・憲法裁所長代行ら進歩派裁判官も韓悳洙首相の弾劾棄却に加勢

right

あわせて読みたい