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「日本が東海でやってたら大騒ぎするくせに…」 共に民主党、中国が韓中暫定水域に無断設置した構造物にだんまり

中国が南シナ海に続き「西海工程」

 中国が海上に深藍などの構造物を10基以上設置し、これらを監視する韓国漁船の接近を制限した上で、構造物上に石油掘削設備を複数取り付け、ここからコンクリートを流し込んで一種の人工島を建設する可能性も指摘されている。国家情報院第1次長を務めた南柱洪(ナム・ジュホン)氏は「中国はこれらを漁業用構造物だとか石油掘削設備と主張し、韓国が軍事面での対応を取りにくいあいまいな線を行き来しながら西海の暫定措置水域を少しずつ確保してくるだろう」と警告した。米国のシンクタンクであるランド研究所は「中国は相手側がどうにもできないグレーゾーン戦術でここ10年にわたり海洋工程を進めてきた」「これは国際的なシステムを無力化する巧妙な手口だ」と分析している。

 実際に中国は習主席が海洋強国建設を国の戦略目標と宣言した翌年の2013年以降、南シナ海で人工島の建設を進め、これを拠点に南シナ海の全面積(350万平方キロメートル)の80%以上を「中国の領海」と主張している。フィリピンやベトナムなど周辺国との対立で本来ならどちらも領有権を主張できないが、中国は一方的に領有権を主張しているのだ。中国は東シナ海でも天然ガス田掘削施設やブイなどを相次いで設置し、日本とも対立を続けている。

■中国と日本への対応に温度差を示す韓国与野党

 国会国防委員長を務める与党・国民の力の成一鍾(ソン・イルジョン)議員は21日、中国が西海に鉄骨構造物を設置した問題について「大韓民国の主権的権利が侵害される可能性も排除できない」「強く糾弾する」と述べた。中国が無断で設置した構造物周辺で両国の海洋警察が対峙したと報じられた今月18日、国民の力は党として論評を出し「大韓民国の海洋主権にとって脅威となる深刻な挑発」として政府次元での断固たる対応を求めた。

 ところが野党・共に民主党は中国による構造物設置の挑発に対して何の反応も示していない。これまで共に民主党は中国に対する批判には消極的で、中国の強圧的な外交政策から顔を背けてきたとの指摘を受けてきた。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は昨年3月、台湾海峡問題について「なぜわれわれが介入するのか。(中国にも)『謝々(シエシエ)』(中国語でありがとうという意味)、台湾にも『謝々』と言えばよい」と発言し、尹錫悦政権の対中政策を批判した。2023年に当時のケイ海明駐韓中国大使(ケイは刑のつくりをおおざと)は李在明代表と会談した際「中国敗北にベッティング(賭けること)すれば必ず後悔する」など内政干渉とも取れる発言を繰り返したが、これに李在明代表は何も言わなかった。

 その一方で李在明代表は強制徴用問題、福島原発汚染処理水放出問題など、日本と関連する問題では「全面戦を宣布すべきだ」と発言した。国民の力の関係者は「日本が東海にこのような構造物を設置していれば、野党はこれほど静かだっただろうか。おそらく大変なことになっただろう」と皮肉った。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者、イ・ミンソク記者

【グラフィック】中国が西海に設置した2基の構造物

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