ウクライナ軍が、最大の激戦地クルスク地域でロシア軍のドローンに追われ、命からがら退却する様子を捉えた動画が公開された。
【写真】「ドローンが来た!」 あわてて車の外に飛び出すウクライナ兵たち
英紙テレグラフは17日「ウクライナ軍が『死の道』で狙われている」として関連の動画を公開。動画にはクルスクからウクライナへと向かう唯一のルートであるR200道路が映っている。
動画を見ると、小さのドローンが、高速道路上を走る「獲物」の上をブンブン飛び回っている。ドローンは急降下してスピードを上げると、『死の道』を走行しながら退却するウクライナ兵たちの車をしつこく追い回す。テレグラフによると、もう少しでドローンが車にぶつかって爆発するという「不可避な状況」の前で動画は終わっている。
また、別の動画には、一部のウクライナ兵たちが、敵軍のドローンが近付いてくるのを発見して車から飛び降りる様子も映っている。しかし兵士のほとんどは逃げる間もなく、お手上げの状態でドローンに攻撃されてしまう。
R200道路はクルスク州の要衝地スジャからウクライナ国境へとつながっている。ウクライナ軍が補給物資を輸送するために主に使われてきた道路だ。ここ2週間でこの場所はロシアによる絶え間ない砲撃を受け、ウクライナ軍の兵力損失が相次いだことから「死の道」と呼ばれている。
ロシア軍は現在、クルスクに残っているウクライナの兵力を孤立させるために、R200道路を戦力で包囲している。
さらに悪いことに、R200道路にはロシアの猛攻から逃げようとして虐殺されたウクライナ兵たちの遺体と燃え尽きた車の残骸が至る所にあり、ウクライナ軍が退却する上で大きな障害となっていることが分かった。
テレグラフは「最後までスジャに残っているウクライナ兵の一部は、車ではなく徒歩で逃げることしかできなくなった」と報じた。
英BBCは、かろうじてクルスクを脱出したウクライナの軍人たちによる残酷な証言を紹介した。