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ラムサール条約湿地に数百トンの都市ごみ、撤去できない理由とは /高陽

ラムサール条約にも登録されている湿地なのに4年にわたって放置

 韓国軍は周期的に地雷を探知・除去している。しかし北朝鮮側からは地雷が流れ込み続けており、安全上の理由から出入りは依然として難しい状況だ。獐項湿地にあると推定される「木箱地雷」や「木の葉地雷」などはどれも地雷探知機での探知が難しく、どれくらいの量の流失地雷が漢江河口の湿地にあるのか、韓国軍でも把握するのは困難だ。除去された地雷の数も、韓国軍では公開していない。環境部の関係者は「現在、獐項湿地には数百トンのごみがたまっていると推定される」と語った。除去できなかったごみで湿地の生態系が破壊され、汚染物質が漢江に流れ込むこともあり得る。

 獐項湿地は、環境部が「滅種危機野生生物」1級に指定しているクロツラヘラサギの生息地でもある。環境部の2022年「漢江河口湿地保護地域生態系モニタリング」によると、05年から21年までに獐項湿地に出現した生物種は累計で植物455種、鳥類192種、哺乳類16種など合わせて1092種に達するという。観察された生物の中にはクロツラヘラサギ、サカツラガン、ヒシクイ、マナヅル、オジロワシ、チョウセンプランシーガエル、ヤマネコなど、絶滅の恐れがある保護種も多数含まれている。

 ラムサール湿地に指定されたら、環境部が保全計画を、各自治体が実践計画をそれぞれ樹立する。獐項湿地の場合、高陽市・金浦市・坡州市が浄化作業などについての計画を立てなければならない。環境部は今月中に第4次漢江河口湿地保全計画を発表してごみを片付ける作業も始める、との立場だが、地雷問題が解決しない以上、実行は難しい状況だ。漢江庁関係者は「管理の必要性は認識しているが、地雷事故などの恐れがあるので手を付けることができない状況」と語った。ラムサール湿地に指定しただけで、対策の整備がなく、汚染が放置されているのだ。

パク・サンヒョン記者

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