韓国中央選挙管理委員会の金世煥(キム・セファン)元事務総長(長官級)が、息子の地域選管採用過程で、面接担当者を自身と親しい人物に交代させるよう指示していたことが10日、確認された。この面接担当者は別の面接担当者に対して志願者が金世煥・元事務総長の息子であることを知らせ、息子は最終的に合格した。金世煥・元事務総長は息子が地域選管に採用された後、上級機関に異動する時も、部下の職員に「息子の世話をしてほしい」と指示し、息子が勝手に賃借契約したオフィステル(住居兼オフィス物件)を選管に「官舎」として承認させ、家賃を支払わせていた、というのが検察の捜査結果だ。「選管世襲」不正が明らかになったものだ。
■親しい面接担当者に交代させて息子を採用
金世煥・元事務総長は昨年12月、職権乱用および国家公務員法違反で起訴された。法務部(省に相当)が与党・国民の力の朱晋佑(チュ・ジンウ)議員室に提出した金世煥・元事務総長の起訴状によると、元事務総長は中央選管の事務次長だった2019年11月、仁川市選管が告示する前にキャリア採用を行うことを知り、当時の仁川市選管総務課長に電話して「告示文・計画書があれば送ってほしい」「今回、うちの息子が受験しようとしているので、よろしく頼む」と言った。こうして金世煥・元事務総長は志願書や自己紹介書の様式などを事前に受け取った。
金世煥・元事務総長の息子が志願書を提出すると、仁川市選管の関係者たちは志願者が誰なのか把握したという。仁川市選管では公正性を図るため、面接担当者を外部から選任するかどうか協議したが、最終的に中央選管の意見により内部の人物から選ぶことにした。その後、金世煥・元事務総長は仁川市選管の総務課長に会い、自身と親しい仁川市選管の選挙課長を面接担当者に入れるよう指示した。そして、「(選挙課長に)私に電話するように言ってくれ」とも述べた。
選挙課長は同年12月に行われた面接過程で、他の面接担当者たちに「金という名字で、(仁川市)江華出身で、中央選管の職員といえば誰だ?」と言い、受験した人物が金世煥・元事務総長の息子であることを告げた。金世煥・元事務総長の息子は最終的に合格し、2020年1月から仁川市選管傘下の江華郡選管で勤務した。