非常戒厳の過程で明らかになった一部の軍幹部の低落ぶりを見ると、韓国軍が果たして国軍なのか、それとも特定の政治家や政治勢力に従属している私兵集団なのか疑わしい。あまり注目されずに見過ごされているが、韓国軍がどれほど多くの政治軍人によって汚染されているかを垣間見ることができる報道があった。昨年12月20日、MBC放送が報じた戒厳宣言直後の民主党議員たちによるテレグラム・チャットの全文だ。問題のくだりをそのまま引用する。
【写真】共に民主・金炳周議員のライブ配信に出演した郭種根・陸軍特殊戦司令官「わたしは知らなかった」「長官の指示に従った」
「[パク・チャンデ]緊急速報です。議員の皆さま、国会に集まってください(10:41)、[ソ・ビョンフン]ただちに国会に向かいます(10:41)、[クォン・ヒャンヨプ]軍隊動員も可能な状況です(10:41)、[チェ・ミンヒ]軍の動向は把握できますか(10:41)、[パク・ソンウォン]707特任団の携帯電話回収(10:42)」
707特任団(特殊任務団)は暗殺作戦を皮切りに、戦時・準戦時状況で極秘任務を担当する特殊部隊だ。707特任団が国会に出動する前、携帯電話の回収措置が取られた時刻は12月3日夜10時30分。この作戦に関する情報がたった12分で野党議員の耳に入ったのだ。
どのような経路でこんなことが起きたのか。同部隊の内部、または指揮線上に、普段からパク・ソンウォン議員に随時機密情報を流してきた人物がいたと見なす以外にない。パク議員は、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に国情院(国家情報院)基調室長と次長を務め、現在は国会国防委員会と情報委員会の委員を受け持っている。民主党が政権を握れば、軍と情報機関に相当な影響力を発揮することができる人物だ。そんなパク議員とひそかに政治的コネを持つ軍人がいるわけだ。
国情院でも同じようなことが発生した。戒厳解除の直後、ホン・ジャンウォン第1次長(当時)はチョ・テヨン院長に「李在明(イ・ジェミョン)代表にも電話で(安保の状況を)説明するのはどうか」と提案したという。情報機関の幹部が公式報告体系から逸脱し、野党の政治家に報告しようと堂々と言えることが果たして正常な状態なのだろうか。元国情院幹部は「院長と二人きりで交わした対話内容について、数日後、国会の情報委で野党の政治家が質疑したこともあった。国情院の情報が野党に垂れ流しになって久しい」と話す。政権が変わるたびに大々的な入れ替えとコネづくりの人事を繰り返しているため、国情院はすでに政治によってひどく汚染されている。