キム・ヘソンはトンサン高校を卒業後、2017年のプロ野球新人ドラフトの2次1ラウンド7位でネクセン(現キウム)に指名された。2年目の18年から主力として活躍し、攻走守を兼ね備えた韓国国内トップの二塁手として成長した。ゴールデングラブ賞を4回受賞し、23年の杭州アジア大会では韓国の金メダル獲得にも貢献した。韓国プロ野球では8シーズンで通算953試合に出場し、打率3割4厘、1043安打、37本塁打、386打点、211盗塁をマークした。
ドジャースは2024年3月、ソウルでMLBソウル・シリーズが開催された当時、ドジャースと韓国代表チームの親善試合を通じてキム・ヘソンに対して好印象を持ったという。ドジャースのゴームズ団長は「過去のわれわれとの試合で彼が見せてくれた躍動性と爆発力は非常に素晴らしかった。こうしたタイプの運動能力を兼ね備えた選手をチームに加えることができて本当にうれしい」と期待を寄せた。
ただ、キム・ヘソンにはこれから厳しい主力争いが待ち構えている。ドジャースはひとまずキム・ヘソンを40人のリストには登録したものの、メジャーリーグでプレーするためには26人のリストに入らなければならない。ゴームズ団長が「キム・ヘソンは二塁手と遊撃手を行き来するユーティリティーの役割が似合う」と言及したことから、主力よりは交代要員として活用する可能性が高い。今回の契約にはマイナーリーグへの拒否権も含まれておらず、厳しい生存争いを覚悟しなければならない立場だ。キム・ヘソンのライバルは昨シーズン、二塁手の主力として活躍したギャビン・ラックス(28)、遊撃手としてプレーすることを宣言したムーキー・ベッツ(33)、内外野を守れる韓国系トミー・ヒョンス・エドマン(30)などだ。弱点とされる長打力も補強しなければならない。韓国プロ野球8シーズンで通算本塁打が37本に過ぎない。メジャーリーグは球場が広く、さらに不利となる見通しだ。
■キウムは5人目のメジャーリーガーを輩出
キム・ヘソンがドジャースと入団契約を交わしたことで、キウムはネクセン時代を含めてポスティングシステムを通じ、5人をメジャーリーグに送る士官学校の役割を担っていることを再確認する形となった。2015年のカン・ジョンホ(ピッツバーグ・パイレーツ)を皮切りに、16年のパク・ピョンホ(ミネソタ・ツインズ)、21年のキム・ハソン(サンディエゴ・パドレス)、そして昨年はイ・ジョンフ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が渡米した。キウムは今回のキム・ヘソンの契約で約20%に相当する総額250万ドル(約3億9000万円)を補償金として受け取る。契約期間が延長されれば、さらに受け取ることになる。これまで選手5人をメジャーリーグに送ったことで得た補償金は、少なくとも3800万ドル(約60億円)に上ると見られている。
ペ・ジュンヨン記者、カン・ウソク記者