誕生から40年、孫悟空のパワーは相変わらず…世界を揺さぶり続ける「ドラゴンボール」(後編)

■「漫画の神」の死…世界で哀悼の波

『Dr.スランプ』で人気作家の仲間入りを果たし、『ドラゴンボール』で漫画の神としてあがめられた鳥山明。休載が一度もなかった誠実のアイコン。2024年3月1日に急性硬膜下血腫で他界した。68歳だった。米国・フランス・ブラジルなど各大陸で追悼の波が起きた。中国外交部(省に相当)の毛寧報道官は定例のブリーフィングで「先生の死去に深い哀悼を表する」とし「今後、識見あるより多くの人物が両国の文化交流と友好事業に積極的に身を投じることを期待している」と語った。イタリアのサッカーチーム、ACミランは、ソーシャルメディアの公式アカウントに追悼の辞を残した。「悟空のようなエネルギーで人生にタックルしてみます! あらゆる瞬間が好きでした(We'll try tackling life with as much energy as Goku! We loved every minute.)」

 韓国では2024年4月5日、ソウルの恵化駅付近の公演場で小規模な追悼行事が開かれた。遺影の前にろうそくをともし、アニメ映画を上映し、直接描いたファンアートをシェアして哀悼する場。この日、追悼行事に参加した女性ファンのユン・ヘリムさん(28)は「突然のニュースに混乱して、他の哀悼者と気持ちを分かち合いたくてやって来た」と言い「自分だけの悲しみではないということにほっとして、単によその遠い場所へ旅に出ただけだ、と受け入れることができた」とコメントした。

■原作者は世を去っても面白さは続く

 失望する必要はない。生前、最後に鳥山明がストーリー・キャラクター・デザインに参加した遺作『ドラゴンボールDAIMA』が韓国でも10月からテレビ放映が始まった。「ドラゴンボール」のメインキャラクターが全員子どもに変わってしまったとんでもない状況を描き出す後続作だ。これまでいささか複雑に拡張されてきた「ドラゴンボール」の世界観を、もう一度初心から整理するという意味で解釈できるだろう。最近はチーム型対戦ゲーム『DRAGON BALL PROJECT:Multi』も公開され、10月に発売されたゲーム『ドラゴンボール Sparking!! ZERO』は、発売初日に300万本が売れた。

 サウジアラビアは2024年初め、世界初の「ドラゴンボール・テーマパーク」の建設計画を公にした。首都リヤドに建設されるこのテーマパークは、規模がソウルのロッテワールドより3-4倍も大きく、70メートルに達する神竜のジェットコースターをはじめおよそ30の遊具や、作品内の空間が設置される予定だ。一度しっかり遊んでみよう、ということだろうか。

チョン・サンヒョク記者

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