エヌビディアのAIチップ、米中間で「安保兵器」に

 米国の制裁を受け、エヌビディアは中国に性能を抑えた製品を販売している。しかし、中国は闇市場を通じ、先端AI半導体を買い集めている。ウォールストリートジャーナルによると、中国最大の核兵器開発研究所である中国工程物理研究院をはじめ、10カ所以上の国家研究機関が闇市場でエヌビディアの半導体を購入したことが分かった。

 米国は自国企業によるAIチップの販売をさらに規制するする方針だ。第三国を通じた「う回調達」を防ぐため、中東、東南アジアへの輸出量を制限するなど新たな規制導入を計画している。ニューヨークタイムズは12月19日、米政府が同盟国には制限なくAIチップを購入することを認め、敵国による購入を完全に阻止するとみられると報じた。事実上、エヌビディアのAIアクセラレーター販売を国家安全保障上の理由で制限する格好だ。トランプ次期大統領が1期目の当時、華為(ファーウェイ)に対する制裁と先端半導体生産設備の対中輸出規制を実施したことを考えれば、来月発足する2期目でも対中半導体制裁を強化する可能性が高いとみられる。

■中国、エヌビディアに対する独禁法調査で反撃

 中国も反撃に出た。12月初め、中国政府はエヌビディアが2020年にイスラエルの半導体設計会社メラノックスを買収したことに関連し、独禁法違反の調査に着手した。今回の措置は米国による対中半導体追加制裁発表から1週間後に発表された。中国はエヌビディアの売上高全体の約12%を占め、無視できない市場だ。ウォールストリートジャーナルは「中国が貿易・技術の制裁対象になった際、中国も黙ってはいないというメッセージだ」と分析した。チョン・ビョンソ所長は「米国が半導体装備メーカーを中心に140社を追加で対中規制企業リストに含めると、中国も警告の意味で調査に着手したものとみられる。エヌビディアを皮切りに中国での生産・販売比率が高いアップル、テスラなどに調査対象を拡大する可能性がある」と話した。

柳智漢(ユ・ジハン)記者、李海仁(イ・ヘイン)記者

【グラフ】レガシー半導体のシェア推移

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