ロケット軍を運用している中国は、核弾頭を搭載する核兵器を搭載する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含め、各種新型ミサイルの開発を急いでいるもようだ。サイロ(ミサイル発射装置を設置するための地下設備)は320カ所に達すると推定される。音速の5倍で飛行する極超音速ミサイル分野でも、中国は既に世界最高のレベルに達していると評価した。極超音速飛行体は、中国が国家的に集中して研究を進める分野だ。米国防総省のチェイス副次官補(中国・台湾・モンゴル担当)は報告書公表後に開かれた懇談会の席上、「我々は核弾頭数の増加だけでなく、質的な向上にも注目している」と述べた。
中国の陸軍規模は300万人と推定される。陸海空軍を合計した米軍の兵力(286万人)よりも多い。台湾海峡の演習などでは長距離火力が大幅に強化されたのが目立つ。海軍は世界最大規模の370隻の艦船・潜水艦を保有している。報告書は2030年には保有量が435隻に達すると予想した。海空軍が保有している航空機は3150機で世界3位だ。中国空軍は無人機の運用でも米国を追い上げているもようだ。中国の国防費が公式に発表された数値より40~90%多いという前提に立ち、2024年の国防支出は最大4500億ドルに達すると推定した。2025年の米国の国防費(8952億ドル)の約半分の規模だ。
米国は中国軍にとって最大の弱点を汚職問題とみている。米国防総省は2022年夏に始まった中国軍内部の汚職摘発が中国軍を現代化する上での障害となり、中国指導部と軍部間の信頼にも亀裂が生じたと指摘した。そして、「幹部に広がった汚職が、中国軍が設定した現代化目標の進展を妨げた可能性がある」と分析した。実際に中国では国防相を務めた魏鳳和、李尚福の両氏が汚職容疑で相次いで失脚するなど、汚職に関与した軍幹部の粛清が相次いでいる。
一方、報告書は派兵を機に露骨になっているロシアと北朝鮮の軍事的な密着を中国が歓迎しないと予測した。報告書は「中国はロシアと北朝鮮の協力に対し、『二国間の問題』だとして公には距離を置いている。それに関与すれば、責任ある大国としての名声に傷がつくと判断したようだ」と指摘した。
北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員