ハンファ・エアロスペースのK9自走砲を運用する国が世界的に増える中、K9とパッケージの形態で輸出されるK10弾薬運搬装甲車が輸出の隠れた「功臣」として活躍している。K10は、重さ40キロ相当のK9用155ミリ弾薬をK9に自動供給する役割を担うが、ロボット型の弾薬運搬車両の開発に成功したのは世界でもハンファ・エアロスペースが初めてだ。
12月25日に防衛関連業界が明らかにしたところによると、ルーマニアは24年7月にK9自走砲54門とK10弾薬運搬車36両を配備する1兆4000億ウォン規模(現在のレートで約1500億円。以下同じ)の契約を締結した。これでK9配備国は計10カ国に増え、K9と共にK10を配備した国は韓国、ノルウェー、オーストラリア、エジプト、ルーマニアの計5カ国になった。K9配備国の半分はK10を選択したのだ。
ルーマニアの自走砲事業でK9は、ドイツのPzH2000自走砲と競争した。ハンファ・エアロスペースの立場からは「北大西洋条約機構(NATO)加盟国間の武器取引」という長年の慣行を破るために差別化案が必要だったが、そこで「K10弾薬運搬車をK9自走砲と一緒に運用できる」という利点を掲げてルーマニア政府を説得したという。
ハンファ・エアロスペースの関係者は「自走砲は弾薬の円滑な供給が必要だが、兵士が自走砲に弾薬を直接積み込む場合、敵に露出してしまう可能性が生じる」としつつ、「K10はK9と共用のプラットフォームを活用しているので費用、生産、教育訓練、維持・補修・整備(MRO/Maintenance, Repair and Overhaul)部門で互換性が高い、という点も強調した」と語った。