泥沼にはまる中国経済 中産階級2000万人が配車アプリのドライバーに殺到

■失業人口推定4700万人

 就業者数についても同様の分析を示しました。中国の都市部の就業人口は、コロナ流行が始まってから急激に減少し、ゼロコロナ政策が終了した2023年に回復を始めましたが、まだ長期的な増加傾向と一致するほどには増えてはいないということです。それをもとに試算すると、4700万人の失業者がいるというのが高氏の分析でした。これは2023年末現在の中国都市部の就業人口(4億7000万人)の10%に当たる数値です。

 高氏は中国国内で屈指のマクロ経済専門家で、国務院発展研究センター金融研究所で勤務した経歴もある人物です。李克強前首相が在任中に開いた専門家座談会にもよく出席していました。

■「日本のように失われた35年が到来する」

 付氏は昨年11月24日、HSBCプライベートバンクの主催で上海で開かれた講演での発言が問題になりました。付氏は「中国経済は高齢化などにより、コロナ以前の2019年から既に構造的な需要低迷周期に入った。内需低迷を解決できなければ、中国も日本のように『失われた35年』に直面する恐れがある」と述べたのです。

 付氏は「地方の現場に調査に出向くと、過去2年間で配車アプリのドライバーが突然2000万人も増えていたが、彼らはどこから来たのか。答えは中産階級の没落だ」と指摘しました。不動産バブル崩壊、大量失業、給与低下などで没落した中産階級が生計を維持するために配車アプリのドライバーに殺到しているとの分析でした。

 付氏は中国政府の景気刺激策についても否定的です。2008年の世界的な金融危機当時は4兆元の大規模な景気浮揚策が需要を創出して効果を上げましたが、今の借金でインフラを建設する方式ではこれ以上消費を引き上げることはできないと語りました。成長期が終わろうとしている中、分配に焦点を合わせるべきだとも提言しました。

■習主席の「貧困層解消」主張も批判

 12月7日には中国の経済紙、経済観察報が「中国の低所得層が約9億人に達する」と報じました。

 労働経済専門家である李実・浙江大共有発展研究院長は同紙のインタビューに対し、「中産階級の所得水準に達していない低所得層は全体人口の65%で約9億人と推定される」と述べました。

 中泰証券のチーフエコノミスト、李迅雷氏も昨年末、「2021年時点で月収2000元(約4万2800円)以下の人口が9億6400万人に上る」と経済誌に投稿し、削除騒動に発展しました。習近平主席は貧困層解消を自身の功績の一つに挙げていますが、専門家がそれを真っ向から批判し始めたのです。

崔有植(チェ・ユシク)記者

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