地域の祭りといえば、韓国もまんざらではない。地方自治制度が始まった1996年の412件に比べると、ざっと3倍に増えた。地域祭りは、地域消滅時代に少しでも地域を宣伝し、観光客を集めようとする苦肉策でもある。これに向け、韓国政府も最近、来年度の普通交付税の改善策を発表し「地域の行事や祭りに予算をより多く使えば、その翌年は交付税を削減した罰則規定を廃止する」と明らかにした。おそらく多くの地方自治体がすでに「第2の金泉キムパプ祭り」を開催するため知恵を絞っていることだろう。
祭りの成功を願わない人はいない。しかし、成功の概念は変わらなければならないと思う。有名な芸能人を呼んで人をたくさん集め、食べ物をたくさん売り、売り上げだけが多く出れば成功した祭りと言えるのだろうか。もちろん、これさえもままならないのが大半だろうが、地域のアイデンティティーなどは少しも盛り込まれず、住民たちも後回しにされた祭りが、地域の長期的な競争力確保にどれほど役立っているか分からない。キムパプ祭り、ラーメン祭りが成功したなら、近いうちにこれをまねたトッポッキ祭り、天ぷら祭りも登場するだろうという冗談は、何の理由もなく出てきたわけではないはずだ。今はそのような量産型祭りの興行よりも、たとえ小さくても地域社会の結束に寄与する祭りの存在がはるかに重要だ。
今年で56回目となったへそ祭りも、最初は参加者を集めることができず、わずか11人でパレードを行ったという。ところが、今では2日間で約4000人が参加する北海道きっての祭りとなった。スタートがやや派手さに欠けたからといって何ら問題にはならない。その瞬間だけでも地域社会が生きているということを感じられるなら、それで十分ではないか。地域祭りが経済的成果を追い掛けるのも重要だが、それよりはわずか数日でも、自分が住む地域に愛着を抱き、隣人と交流できる場として機能してほしい。
イ・ドンス青年政治クルー代表