キムパプとラーメンで町おこしイベント…次はトッポッキと天ぷら?【寄稿】朝鮮日報

韓国全土で祭りは年に1170回
地域消滅時代の苦肉策
食べ物さえ売れれば成功か
地域社会の結束が問われる時

 札幌で過ごした1年は、かなり興味深い時間だった。ワーキングホリデーの行き先として、ただ暑いのが嫌だという理由から、日本列島最北端の北海道は札幌を選んだのだが、この1年間は北海道の魅力にどっぷりとはまらざるを得なかった。観光と農業が主要産業である北海道では、大小の祭りが後を絶たない。大自然の恵みで暮らす北海道の人々は、祭りを通じて土地と海に感謝し、日常の安泰を祈願する。こんな経験ができるのも今だけだと思い、札幌近くの小都市で開催される祭りという祭りを忙しく訪れた。もう10年前のことだ。

【写真】春の花祭り前なのに…チューリップがなくなった現場とタケノコが持ち去られた竹林

 個人的に最も記憶に残ったのは富良野市だ。札幌から電車で3時間の所にある富良野市は、人口2万人の小さな都市だ。観光客の間では、広々としたラベンダー畑が有名だ。しかし、富良野の本当の魅力は、「北海へそ祭り」にある。富良野市は自らを「北海道のへそ」と称する。北海道の真ん中にあるからだ。「へそ」という祭りのコンセプトはこうして生じた。へそ祭りの参加者たちは上着をまくり、滑稽な絵が描かれた腹を出したまま市街地を行進する。数千人が自分の腹を出して音楽に合わせて行進する姿はまさに壮観だ。この「へその行列」を一目見ようと人口2万人の小都市に毎年約7万人の観光客が集結する。

 へそ祭りで特に印象的だったのは、人波の構成だ。白髪の老人から小学校入学前の子どもたちまで、さまざまな人々が一つになって、自分の地元の祭りを楽しんでいた。富良野市民たちは町内の隣人、会社の同僚、学校の同窓生たちとチームを組んでパレードに参加する。彼らにとっては、準備の段階からが地域の人々と共に行う祭りであるわけだ。札幌に住む日本人の友人たちも、幼い頃、両親や近所の大人たちに連れられて雪祭りに参加し雪の彫刻を作ったのを、楽しい思い出として心にとどめていた。こうして地域社会は祭りを通じて絆を深めていくのだ。

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