【プレミア12】また1次ラウンド脱落、国際舞台で繰り返される「韓国野球残酷史」

 第1戦の台湾戦も、ホームという「地の利」がある台湾に対して韓国代表チームの選手起用には物足りなさがあったが、全体的に見て台湾の方が韓国より優れた実力と試合運びを見せた試合だった。今年の韓国プロ野球(KBO)リーグの平均年俸が約1億5500万ウォン(約1700万円)、台湾プロ野球選手の平均年俸はその半分程度であることを考えると、「韓国プロ野球の全体的な力は停滞し、韓国は淘汰(とうた)されつつある」との指摘もある。

 もちろん、希望が持てそうな点もあった。台湾と日本に敗れたものの、日本プロ野球で今シーズン大活躍したエースのリバン・モイネロを完全に攻略して勝ったキューバ戦と、0-6とリードされた後に9-6と大逆転勝ちしたドミナカ共和国戦は、若い選手中心の今回の韓国代表チームが根性と闘志を見せたと評価されている。

 特に今シーズンのKBOリーグで38本塁打・40盗塁という見事な成績を挙げた金倒永が、生まれて初めて韓国代表として出場した今回のプレミア12でも3本塁打などで大活躍し、今後の韓国代表チームで主軸打者になることが確実になった。捕手難に苦しんでいた韓国にとって、代表に初選出された朴東原(パク・トンウォン)と、遊撃手の朴成韓(パク・ソンハン)が攻守で代表チームの主力になり、役割を果たしたのも良かった。

 先発投手陣はおおむね振るわなかったが、抑えの朴英賢(パク・ヨンヒョン)を中心に、劉泳チャン(ユ・ヨンチャン)、金瑞鉉(キム・ソヒョン)、クァク・ドギュ、金沢延(キム・テギョン)ら若いリリーフ投手陣は今後の国際大会でも活躍が期待できる可能性を見せた。今大会で潜在力が見えた若い選手たちと元兌仁、文東珠、李義理(イ・ウィリ)らKBOリーグのエース級先発投手たち、そして米大リーガーの李政厚(イ・ジョンフ)と金河成(キム・ハソン)、今年ロサンゼルス・ドジャースのワールドシリーズ優勝に貢献したトミー・エドマン、ドジャース傘下で成長中のチャン・ヒョンソクらが合流する2年後のWBCではさらに良い成績が期待できるだろう。

 ただし、2022年から韓国代表を率いている柳仲逸(リュ・ジュンイル)監督体制を継続するかどうかが最大の悩みだ。今年初めのKBO戦力強化委員会で柳仲逸氏の代表監督再任が決まったが、任期は事実上、今回のプレミア12までだ。「柳仲逸監督のやり方は短期戦中心の国際大会に合わない」という指摘もあるが、新たな代表監督を見つけるのは容易でないのも事実だ。

ペ・ジュンヨン記者

【写真】第1戦で台湾・陳晨威に満塁ホームランを喫した高永表

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