韓国人ユーザー98万人のデリケートな個人情報を広告に活用、米メタ社に課徴金216億ウォン

 同委は一連の行為を韓国の個人情報保護法違反と判断した。同法によれば、宗教や政治観などデリケートな個人情報は利用者の同意を得ずに使用できないが、メタはユーザーの同意を受けていなかった。同委関係者は「フェイスブックの『データポリシー』にあいまいに情報を収集できるとしているだけで、収集される情報、収集目的なども明示していなかった」と語った。

 広告主はそうした情報に基づいてカスタマイズ広告を流した。同委によると、メタは2019年、市民団体からカスタマイズ広告を出したいという要請を受け、プロフィールに「同性と結婚」と入力したユーザー情報を無断で広告に活用した。ユーザーがフェイスブックにログインすると、その市民団体の人権教育行事の広告が表示された。同委関係者は「ユーザーは問題の市民団体がどうやって私の性的指向を知り、広告を出し続けるのか驚いたはずだ。厳格に管理すべき個人の性的指向などの情報を密かに収集・使用した重大な違法行為」と指摘した。

 これと関連し、メタ側は「ユーザーのプロフィールなどの情報をグループ化し、広告主の要請を受け、対象グループに広告が表示されるようにしたものであり、個人のデリケートな情報を収集したわけではない。個々人の身元が広告主に流出したこともない」と主張したという。

 同委によると、メタがこうした手法で上げた収益は、メタ側が資料提出を拒否したため、把握できなかった。課徴金の金額はメタの売上高全体と韓国国内のユーザー数などに基づき算出した。

 メタが同委の制裁を受けたのは今回が初めてではない。2020年以降、6回の制裁を受け、5回は課徴金処分も伴った。課徴金の総額が720億ウォンを超える。メタはこうち3件について行政訴訟を起こしている。

 今回の決定について、メタコリア側は「委員会の制裁議決書を詳細に検討した後、対応を決める」としている。メタは同委が調査に着手すると、デリケートな個人情報収集を中断し、作成したグループのデータも破棄したという。

崔燕真(チェ・ヨンジン)記者、キム・ヨンウ記者、ファン・ギュラク記者

【まとめ】米メタ社に対する韓国個人情報保護委員会の処分

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