韓国人ユーザー98万人のデリケートな個人情報を広告に活用、米メタ社に課徴金216億ウォン

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の フェイスブックとインスタグラムを運営する米メタが、韓国のフェイスブックユーザー98万人の宗教、政治観、同性婚の状況などの個人情報を広告に活用していた事実が明らかになり、韓国個人情報保護委員会は5日、全体会議を開き、メタに個人情報保護法違反で課徴金216億1300万ウォン(約23億8000万円)と過料1020万ウォンの処分を下すことを決定した。過去にもメタ、グーグルなどがユーザーが外部サイトで活動した情報を無断収集し「カスタマイズ広告」に活用して制裁を受けたことはあるが、今回のように個人のデリケートな情報を流用した事例が摘発されたのは初めてだ。

【まとめ】米メタ社に対する韓国個人情報保護委員会の処分

 今回の課徴金額は同委による課徴金処分としてはこれまでで3番目に多い。最高は2022年のグーグル(692億ウォン)、2位は同年のメタ(308億ウォン)だった。当時メタはユーザーがフェイスブックIDでログインした外部サイトの活動情報を無断収集し、フェイスブックのカスタマイズ広告に活用したとして、課徴金処分を受けた。

 同委によると、今回メタは2018年7月から2022年3月まで韓国国内のフェイスブックユーザー98万人の宗教、政治観、同性婚の状況、脱北者かどうかなどデリケートな個人情報を使い、広告収益を上げていたと指摘された。広告主4000社余りがそうした情報を利用して広告を行った。

 フェイスブックには宗教、同性婚など自身の情報を入力する「プロフィール」機能があるが、その情報が広告に利用されていた。メタはプロフィールに入力された情報だけでなく、利用者がどんなコンテンツに「いいね!」を押すのかまで把握し、分析・活用していた。同委関係者は「そうした情報に基づき、メタは全世界のユーザーを9万7000のグループに分け、『超精密カスタマイズ広告』に活用した」と説明した。例えば、南北経済協力事業を行う団体が「脱北者」に広告を送りたい場合、「脱北者」グループに分類されたユーザーに「南北経済協力事業」の広告を表示する方式だ。

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