韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が11月10日で就任から2年半という任期の折り返し点を迎える。しかし、折り返し点を2週間後に控えた時点で、尹大統領の支持基盤はかなり揺らいでいる。韓国ギャラップによる世論調査では、2022年5月の就任直後に52%あった尹大統領の支持率は先週は20%だった。大統領室の一部からは、国政の障害として指摘されている金健希(キム・ゴンヒ)夫人関連の問題解消に向け、夫人本人の立場表明や公開活動の中止、大統領室と内閣の人事刷新などが検討されているとの話も漏れる。大統領室幹部は「想像し得る全ての方策を検討している」と話した。
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尹大統領は28日、秘書官会議を開き、年金・医療・教育・労働の4大改革の推進状況をチェックした。尹大統領は席上、「4大改革の推進がすなわち民生だ」と述べ、改革推進を急ぐよう指示した。尹大統領は「年内に目に見える成果が出るようにペースを上げてほしい」と注文した。与党関係者からは「尹大統領の改革意欲と共に、低い国政支持率に対するもどかしさも反映されているようだ」との話が聞かれた。
任期後半を控えた尹大統領の目前にはさまざまな難題が山積みだ。国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表が公に「金建希夫人リスク」解消を求めたことは、与党支持層からの圧力も厳しい状況を示している。世論調査でも、尹大統領に対する否定的評価の理由として、金建希夫人の問題が最多だった。
それについて、大統領室の一部では、尹大統領が夫人を巡る問題に対する立場を表明するか、夫人が直接国民に謝罪する案などを検討しているという。尹大統領は韓代表が21日の会談で夫人の「公開活動中断」を要求すると、「既にかなり自粛している」と答えた。与党関係者は「大統領の海外歴訪に夫人が同行しない案も大統領室で一部検討されていると聞いている」と語った。