少子高齢化に伴う「人口絶壁」で、韓国軍の兵力は2040年代には30万人の水準に低下するものと見込まれている。韓国国防研究院の22年の推計によると、02年の時点で69万人に達していた国軍(常備軍)は、今年の50万人から39年には39万人台へ、43年には33万人の水準まで減るという。早々と軍を離れる下級幹部も急増している。士官学校出身将校のうち、義務服務期間である10年を満了することなく5年目で早期除隊(予備役へ転役)する将校は、昨年の48人から今年は122人と2.5倍に増えた。陸軍の場合、選抜者定員を充足できていない欠員の数は、昨年現在で将校550人、下士官は4790人に達した。その結果、世界最高水準の武器インフラを備えていても、これを運用する兵力がいないという状況が発生している。兵士の月給が200万ウォン(約21万9000円)まで引き上げられる中、将校・下士官は依然として薄給に苦しんでいる。宿舎の状況も劣悪、業務はいつも過重とあって、将校・下士官として任官する動機付与が全くできていない。
韓国陸軍には、下士官の運転するK9自走砲が1100両あるが、現在のような操縦手補職率(72.9%)ではこのうち300両が運用困難になりかねない。韓国陸軍に、操縦手を必要とする自走砲はK9・K55の2種類あるが、このうち主力はおよそ1100両が編成されているK9だ。K9自走砲は最大射程40キロ、1分間に9発を発射できる火力、時速60キロで走行できる機動性を兼ね備えている。北朝鮮の長射程砲挑発の際には直ちに対応しなければならない武器だ。京畿道のある砲兵幹部は「自走砲の人員がおらず、他の部隊から充当することがしばしば」と語った。韓国軍では、K9を改良して搭乗人員を5人から3人に減らす計画だ。しかしこれは、「最少人員」である3人のうち1人が欠けただけでも火砲の運用ができなくなる、という意味でもある。
韓国軍内外で「ドローンなど先端戦力の研究や実戦配備をもっと早め、フェンスの警戒を中心とする作戦概念を弾力的に変えるべき」「肥大化した将官団の数を減らし、数十年維持してきた『行政軍隊』から『戦闘軍隊』へと体質を完全に変えるべき」という指摘が出ている。
チュ・ヒョンシク記者、コ・ユチャン記者、チャン・ユン記者