モンペには勝てません…学級担任を辞める韓国の教員、3年で2倍に

昨年は124人が辞退

 昨年3月、釜山で小学2年の担任として勤務していたミン・ジヨンさん(仮名、30)は授業中に他のことをしているAちゃんに「Aはよそ見をせずに黒板を見ようね」と諭し掛けた。それでもAちゃんが集中しなかったため、立たせて教科書の一部を音読させた。

 このことを知ったAちゃんの両親は、ミンさんを児童虐待の疑いで警察に通報した。子どもに羞恥心を感じさせたという理由からだった。1カ月間にわたる調査の末、容疑なしの処分が下されたものの、両親は教育庁に再び嘆願書を提出した。その過程で「あなたのような人がなぜ担任をやっているのか、今すぐ辞めなさい」などの暴言を浴びせられたミンさんはノイローゼになり、しばらく精神科に通うほどだった。その年の2学期が始まる直前、担任を他の方にお任せする旨を学校側に伝達した。

 自ら担任を辞退する教師が増えている。10月9日、与党「国民の力」のチョン・ソングク議員が教育部(日本の省庁に相当)から受け取った「国公立教員担任交代現況」と題する資料によると、教師本人が望んで学期の途中に担任を辞退するケースがここ3年で2倍以上に増えた。2020年の54人を皮切りに、21年に90人、22年に118人、昨年は124人が自ら担任を辞めていった。続いて今年に入って7月までに担任を任されていた55人の教師が自主的に入れ替わった。保護者の要請で担任の座を退いた教師も20年の17人から昨年は79人へと増えた。このように昨年1年間だけで全国の小、中、高校で入れ替わった担任教師の人数は計203人となった。22年(206人)に次いで、2年連続で200人を超えた。20年(71人)と比べると3倍に増えた計算だ。

 昨年の担任交代はそのほとんどが小学校で発生した。交代した担任の61%(125人)が小学校の教師だった。中学校は18%(36人)、高校は21%(42人)だった。学校では、担任が変わる際に人事諮問委員会で議論して、期間制の教師を新たに採用したり教科専門の教師に任せたりする。中学の場合は、当該クラスの副担任やそのクラスで教科を教えている教師などが候補となる。

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