米国で学んで中国に帰国…ナノ技術第一人者も「チャイナリターン」

 「天才に与えられる賞」と呼ばれる米「マッカーサー・フェロー」に選ばれた管坤良・カリフォルニア大サンディエゴ校薬学部教授、シリコンバレーのノーベル賞と呼ばれるブレークスルー賞の一部門である「数学ニューホライズン賞」を受賞した孫崧・カリフォルニア大バークレー校数学科教授ら各分野の学者たちも昨年から今年にかけ中国に戻った。韓国の科学界関係者は「以前にも中国の科学者や技術者が本国に帰ることはあったが、博士号取得直後の場合が多かった。最近は米国に完全に定着し、名声も積み上げたベテランが帰国している」と指摘した。

■世界最上位に浮上した中国の研究機関

 中国系の有名科学者たちが中国に帰国するのは、中国の研究機関のレベルが世界最高水準にまで上昇したことも主因だ。科学研究能力を評価する代表的な指標である「ネイチャーインデックス」のランキングで中国は今年初めて米国を抜き首位となった。科学論文の成果は今後商用化する科学技術の先行指標となる。

 ネイチャーインデックスで、中国科学院はハーバード大学を抜き研究機関でトップとなった。世界上位10機関のうち7機関を中国が占めた。中国の科学研究機関が世界最上位レベルであることが立証されたのだ。

 一部には米政府による中国系科学者けん制も、彼らの帰国に影響を及ぼしたと指摘する。トランプ政権当時「チャイナイニシアチブ」という名前で実施されたスパイ調査計画などの標的となり、中国の科学者による永久帰国が大幅に増えたとの見方だ。

 米スタンフォード大中国経済・制度研究センターの分析結果によると、米国を基盤に研究活動を行ってきた中国人科学者の帰国比率は2010年の48%から2021年には67%に上昇した。バイデン政権下でいったん中断された「チャイナイニシアチブ」だが、関連法案が9月11日に米下院をで可決され、法制化の可能性が高まり、米国の中国系科学人材の中国復帰はさらに増えそうだ。

キム・ヒョイン、郭守根(クァク・スグン)記者

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