京都国際高校の夏の甲子園優勝は「脱韓国」で成し得たものだった【寄稿】

大韓民国を歓喜させた京都国際高校の不都合な真実

 「韓国の魂」が京都国際高校優勝の原動力だったらうれしいが、残念ながら事実は正反対だ。京都国際高校の優勝は京都国際高校が「韓国」という狭いフレームから抜け出し、日本社会の中に溶け込んで「競争と集中」というモットーにより徹底して勝利を追求し戦力を高めたからこそ可能になったのだ。

 一例を挙げれば京都国際高校野球部のスカウト戦略は他校とは異なる。京都国際高校と準決勝で対戦した青森山田高校はベンチ入りした20人のうち15人が青森県出身で、決勝で対戦した関東第一高校は18人が首都圏出身だ。これに対して京都国際高校のベンチ入り選手のうち京都出身者はわずか5人で、大阪まで合わせても9人しかいない。しかも北海道出身者が3人もいて、福岡県出身者も1人いる。つまり京都国際高校は地域などにこだわらず全国から選手を集めて競争させているのだ。

 練習方法も京都国際高校は特殊で、グラウンドが狭いため守備に重点を置いている。中でも投手と野手は完全に分業体制とし、それぞれにコーチがいる。各ポジションの選手の個人技を最大限高めることに重点を置き、個人練習の時間は何と夜10時半まで認められている。寄宿舎にも専門のコーチがいて、練習時間以外の生活にも責任を持っている。ただひたすら野球だけに集中できるようにし、個人技を最大に高められる場を提供しているのだ。

 このような「競争と集中」の結果、数年前から京都国際高校出身のプロ野球選手も出始めている。2019年以降で京都国際高校出身のプロ野球選手はすでに8人だ。関東第一高校や青森山田高校はどちらも2人ずつだから、その差はかなり大きい。全国の有望な中学生野球選手にとって京都国際高校はプロを目指す一つのルートと認識されているため、今後もさらに多くの野球選手が集まってくるだろう。

 25年前に野球部ができた直後、京都国際高校は他校との試合で0-34のコールド負けを喫したことがある。当時の選手たちはほとんどが在日韓国人だった。それが地域、血縁、他校との関係などにこだわらず「競争と集中」という考え方の上に日本人選手を数多く集め、甲子園で優勝するほど強くなった。

 京都国際高校の成功から得られる真の教訓は「東海」が入った韓国語の校歌を聞いて涙を流す民族中心主義ではなく、本当に勝つためだけに、むしろ民族の枠を越えて門戸を開き、競争を誘導し選手個人の力を集中して高めていったからだ。むしろこれこそが将来における本当の「韓国の魂」とすべきではないだろうか。

チャン・ブスン関西外国語大学国際関係学教授

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  • ▲兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われた全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)決勝で優勝を決めた直後、マウンドで抱き合う韓国系国際学校・京都国際高校の選手たち/NEWSIS

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