この日のブーイングは洪明甫監督と共に大韓サッカー協会や同協会の鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長も対象だった。洪明甫監督が電光掲示板に映るたびに「ウー」というブーイングがわき起こり、太鼓の音に合わせて「鄭夢奎出て行け!」と叫んだ。「韓国サッカーの暗黒時代」「ピノキ洪(ホン=ウソをつくと鼻が伸びるピノキオとの語呂合わせ)」「選手は一流、会長は=?」といった批判の言葉が書かれた横断幕も登場した。赤い悪魔は6日、「どの瞬間もうまくいかないよう、負けるよう願って応援しなかった」「勝利を切に願っていた金ミン哉は良い結果が出なかった悔しさのあまり、誤解したようだ。ただし、表現の方法と場所は非常に残念だった」とコメントした。また、「公正さと常識がなく、意思疎通できない大韓サッカー協会の行為に対して最も強く声を上げることができ、注目を集めることもできる場はスタジアムだと考えた」「ウソで一貫している協会と、自身の信念を曲げた監督に対する抗議とブーイングだった」と説明した。
11回連続でW杯に進出するための最後の舞台の初戦は不安に包まれた。前回のアジアカップの失敗後、韓国サッカーは動揺し続けている。ユルゲン・クリンスマン前代表監督の「外遊」「在宅勤務」問題に電撃更迭、アジアカップ時の主軸選手ソン・フンミンとイ・ガンインの衝突、そして競技力の低迷など、雑音が絶えなかった。さらに、後任監督の人選過程でも未熟な戦力強化委員会の運営や手続きを無視した洪明甫監督の選任などが続き、騒動は大きくなりそうだ。
キャプテンのソン・フンミンは「ファンが望む監督がいたのだろうが、既に(監督選任は)決まったことで、我々には変えられない部分だ」「キャプテンとしてチームのことを考えてファンに応援と愛をお願いしたい。監督も最善を尽くしている」「金ミン哉のようなケースは二度とあってはならない。ファンと選手は良い関係で共に団結し、大韓民国の勝利を望むべきだ」「少なくともホームゲームでは選手たちに一言ずついい言葉を使って励ましてほしい」と語った。イ・ガンインも「監督が我々と一緒に臨んだ初めての試合だったが、応援ではなくブーイングで始まって非常に残念だった」「選手たちは監督を100%信じて、従うだろう。ファンは当然、とても残念に思っているだろうし腹も立つだろうが、それでもたくさんの声援を送ってほしいし、関心を持ってほしい」と言った。
キム・ヨンジュン記者