自営業者は「借り入れ→起業→経営悪化→借金→廃業」という構造が定着してしまっていると話す。韓国信用データの「零細事業者動向レポート」によると、今年第1四半期の自営業者の貸出残高は884兆4000億ウォン(96兆4000億円)で、延滞額だけで15兆ウォンを超える。限界に達した自営業者はやむを得ず廃業を選ぶ。統計庁によると、今年上半期に商売をやめて失業者になった自営業者は1年間で20%以上増加した。
流通業界はフランチャイズの栄枯盛衰のペースが以前より確実に速くなったと指摘する。業界関係者は「ソーシャルメディアに慣れた世代が消費市場の中心となり、流行の周期が短くなった。ぱっと浮上してあっという間に消えるブランドがあふれている」と話した。同関係者は「流行のスピードが速くなり、それにつれてまだ検証されていないフランチャイズが生まれ続けている。事業が得意ではない未経験の自営業者が窮地に追い込まれている」と指摘した。
台湾式サンドイッチのフランチャイズは2018年10月に加盟店が100店舗を突破した。店舗別の月平均売上高は6900万ウォンに達した。しかし、13カ月後の2020年1月、店舗数は276店舗に増えたが、月平均売上高は1900万ウォン台に落ち込んだ。業界関係者は「その段階で流行がピークに達したと判断すべきだが、それをよく知らない自営業者が引き続き起業した」と分析した。このフランチャイズブランドの店舗は今年6月には約130店舗に減り、月平均売上高も1300万ウォン台まで低下した。
これから起業を目指す自営業者にとってはフランチャイズの選択に困難を感じざるを得ない。加盟店が多いフランチャイズを選べば、流行が既にピークに達したのではないかと心配され、加盟店が少ないフランチャイズは実績が立証されてないからだ。外食フランチャイズブランドのうち、加盟店が100店舗以上の割合はわずか3.1%にすぎない。それに対し、加盟店が10店舗未満の小規模フランチャイズブランドは全体の74.5%に達する。中央大経済学部のイ・ジョンヒ教授は「安易にフランチャイズ加盟店を開くと、それまで貯めた資産が水の泡になりかねないので、慎重に慎重を期すべきだ」と話した。
シン・ジイン記者、石南埈(ソク・ナムジュン)記者