中国はロシア・ウクライナ戦争でも仲裁者を名乗っている。7月22日、ウクライナのクレバ外相は、中国・広州で王外相と会った。戦争勃発後、ウクライナ外交のトップが訪中したのは初めてだった。クレバ外相は「ウクライナ参加の下で、主権と領土の一体性が完全に尊重されれば、いかなる交渉にも参加する意思がある」と表明し、王外相は「平和に役立つすべての努力を支持し、建設的な役割を続ける意向がある」と述べた。米国と西欧諸国の軍事支援でロシアに対抗しているウクライナが中国と終戦交渉問題について突っ込んだ議論を行ったのだ。これに先立ち、中国は今年5月、ブラジルと共同でウクライナ和平案を発表し、ユーラシア事務特別代表の李輝氏をウクライナに派遣した。
全世界の火薬庫で積極的に活動する中国を巡っては、「米国に代わる有能な平和仲裁者」というイメージを固めようとしているのではないかとの分析が示されている。香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは「西側が中国を攻撃的勢力として描写する状況で、自分たちは責任感があり平和な大国なのだと伝えようとしている」と指摘した。しかし、ロシアと密接な関係にあり、権威主義陣営の核と認識されている中国が仲裁者として行動するには限界があるとの指摘もある。オーストラリア戦略政策研究所のニール・トーマス研究員は「中国は仲裁者を自称しながらも、譲歩や犠牲の意思は弱い」と分析した。
北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員