青い珊瑚礁【朝鮮日報コラム】

韓流コンテンツの全盛期を引き寄せた1998年の日本大衆文化の開放
韓日関係改善の先頭に立った故・金大中大統領も「NewJeansおじさん」までは予測できなかったはず

 故・金大中(キム・デジュン、DJ)元大統領は、韓日関係の改善に意欲的だった。1998年10月の訪日当時、明仁天皇に「天皇陛下」と言った。木浦商業高校時代の恩師との出会いでは「先生、私です。あの・だいちゅうです」と、創氏改名の暗黒歴史も自ら召喚してみせた。ハイライトは「21世紀の新しい韓日パートナーシップ共同宣言」、すなわち「金大中・小渕宣言」だった。政党を超え、今も「韓日関係の金字塔」と認められる政治的成果だ。その後続措置の第1号が日本大衆文化の開放だった。

 韓国国内で「日本と仲良くしよう」と言うには勇気が必要だ。反日感情に便乗するのがはるかに容易で、政治的にも大ウケする商売だ。日本の政治家たちが韓国に対して妄言を繰り返すのと同じ原理だ。歴代の韓国指導者の大半は、韓日関係の改善に消極的だった。これは保守陣営の大統領も例外ではなかった。故・金泳三(キム・ヨンサム)元大統領は記者会見で「日本の無礼を正してやる」と述べた。故・金大中・元大統領までがこうした風潮に同調していたら、韓国コンテンツの全盛期の到来は、はるかに遅れていたかもしれない。

 もちろん、故・金元大統領には大きな過ちがある。経済難に陥っていた金正日(キム・ジョンイル)政権が、太陽政策のおかげで起死回生を遂げた。結果的に三代世襲と核ミサイルの暴走、人権じゅうりんを支援するような形となった。これにも増す大誤算は「DJ精神」を受け継ぐとして、太陽政策だけを継承した盧武鉉(ノ・ムヒョン)、文在寅(ムン・ジェイン)政権だ。特に竹やり歌(東学農民革命をたたえる歌)を歌って「ノー・ジャパン」を扇動し、韓日関係を台無しにした人々とDJを比べることなど決して許されない。そんなDJでさえ、Kポップのガールズグループのメンバーになったベトナム系オーストラリア人の少女が「青い珊瑚礁」を歌い、日本の中年の40年前の郷愁を刺激する日がこうして訪れるようになるとは、予測できなかったことだろう。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

【写真】「青い珊瑚礁」を熱唱するNewJeansハニ

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