光復節を避けた日本人投手のスライド登板が波紋 「差別行為」との批判相次ぐ

白川恵翔登板に一部ファンが斗山のSNSで反応
監督は投手を交代

 プロ野球斗山ベアーズの公式SNS(交流サイト)で13日に公表された先発投手に多くのコメントがついた。「光復節に日本人投手が先発するのはおかしい」「光復節に白川が先発するのはちょっとちがう」など、どれも斗山所属の日本人投手である白川恵翔(23)についてだった。通常だと先発投手はローテーションに従って登板するため、白川は14日に先発の予定だった。ところが試合が雨で順延となったため白川は15日に登板することになった。

【写真】日章旗の代わりに太極旗と球団旗が掲揚された蚕室野球場

 15日は光復節だ。一部のファンが「光復節の日本人投手登板は不適切」と抗議したため、斗山は白川の登板を16日とし、光復節の試合には白川の次に投げる予定だった韓国人投手の崔源峻(チェ・ウォンジュン)を登板させた。「反日攻撃に屈服した」との指摘に斗山は「光復節とは関係ない」と反論した。

 この問題については「特定の選手の人種、国籍、性別を問題視し、試合への出場を妨害あるいは反対するのは国際スポーツ界で厳しく禁じられている差別行為だ」との批判も相次いでいる。韓国ファンからも「光復節を理由に日本人投手の登板に反対するのは差別であり、無知な行為だ」との指摘もある。日本では2014年にサッカーJリーグの浦和レッズサポーターが同チーム所属だった在日4世の李忠成、対戦相手だったサガン鳥栖の尹晶煥(ユン・ジョンファン)監督など韓国人に向け「JAPANESE ONLY」と書かれた差別を連想させる横断幕を設置した。これを重く見た日本サッカー協会は浦和レッズに対して史上初の無観客試合の処分を下し、当時の菅義偉官房長官も「非常に遺憾」とコメントした。

 斗山の対応についても波紋が続いている。日本の独立リーグを経て韓国にやって来た白川は「韓国に来られて幸せだ」と語るなど、韓国文化に好意的な姿勢から「カムジャ(じゃがいも)」の相性で親しまれてきた。しかし過去には今回のようなことは起こらなかった。2009年の光復節にはSK(SSGの前身)の日本人投手だった門倉健が先発で登板し、2010年の光復節には当時LG所属だった日本人の岡本真也がリリーフで登板した。そのため他チームの関係者は「突然なぜこんなことが起こったのか理解できない」と語っている。

 斗山は「白川は相手のロッテを苦手にしていたため登板させなかった」としているが、白川は以前もかつて打ち込まれたLGに連続して登板したことがある。そのため「苦手という判断はその時によって変わるんだ」などいやみのコメントも出ている。しかもロッテが苦手とされたのは以前所属していたSSG時代の話で、斗山に来てからはまだ一度も対戦していない。そのため「説得力がない。そんな理由で(先発ローテーションを)回すチームはおそらくない」との反論もある。

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  • ▲蚕室野球場で行われたLGと斗山の試合で力投する斗山先発の白川恵翔。8日撮影。/スポーツ朝鮮=ホ・サンウク記者
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