韓国株の素顔をさらしたブラックマンデー【コラム】

 カジノで現金の代わりに使われる最高額のチップを指す「ブルーチップ」という用語は、日常生活でもよく使われる。ニューヨーク証券取引所はブルーチップを「品質と信頼性、そして景気が良い時も悪い時も収益を出せる能力という面で全国的な名声を得た企業の株式」と定義している。韓国では大型優良株であるブルーチップほどではないが、堅調な業績を上げる中小型株をイエローチップと呼ぶ。欧米にはない韓国式の造語だが、韓国では定着している。

【写真】大きく下げたサムスン電子株

 ブルーチップは好況時に相場の上昇を主導し、不況期にも簡単に下落しない。歴代政権のあらゆる不動産規制にもかかわらず、「不敗神話」を続けてきたソウル・江南のマンションが代表的だ。それに対し、イエローチップは上げ相場でブルーチップより遅く上昇し、下げ相場では先に下落する。

 ブルーチップは業界トップ企業としてのプレミアムを享受している。法律サービス業界首位のキム&チャンは、外資系企業の法律諮問を独占していることで有名だ。外資系企業の役員にその理由を尋ねると、「実力もあるが、たとえ訴訟で敗れても、本社に『韓国最高のローファームを使ったのに駄目だった』と言えば、釈明が容易だからだ」と答えた。他の法律事務所を使って敗訴すると、「なぜ業界トップを使わなかったのか」と叱責されてしまうからだ。

 ブルーチップは相対的な概念だ。比較対象が何かによって異なる。ソウル大は韓国の国内の中では他を寄せ付けないブルーチップだが、世界の超一流大学と比較すると「井の中のかわず」だ。

 米国発の景気低迷懸念で世界の金融市場がジェットコースターのように変動したこの数日は、韓国証券市場がイエローチップだという素顔がはっきりした。韓国、日本、台湾の株式市場がいずれも過去最大の下落幅を記録した6日、韓国総合株価指数(KOSPI)は8.8%下落した。一方、危機の震源地である米ナスダック指数の下落率はその半分にも満たない3.4%にとどまった。

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