巧妙化する中国漁船の乱獲行為 世界15カ国で現地国旗掲げ操業

 中国は2000年代以降、経済成長で水産物の需要が増大すると、本格的に遠洋漁業に参入した。群れを成して網を下ろし、手当たり次第に魚を取り尽くす中国の漁船団を全世界が恐れている。多くの国は自国海域にミサイルを搭載した艦艇を配置し、違法な中国漁船を沈めることもあったが、違法操業の規模を拡大を続けている。

 中国は全世界で漁獲した水産物を韓国にも大量に輸出している。中国は2022年から昨年末までの2年間にアルゼンチン、ガーナ、モーリタニアの3カ国で漁獲した1058トンのマグロ、イカなどを韓国に輸出した。アウトロー・オーシャン・プロジェクト関係者は「韓国も中国による違法操業の主な被害国だ」とした上で、「違法操業被害国の消費者が中国が他国から事実上略奪した魚を消費している皮肉な状況だ」と説明した。

 中国がアフリカ、南米、太平洋のあちこちに自国漁船を進出させているのは、対象国の港湾に対する支配権を強化し、長期的には洋上での軍事的影響力も高める意図もあるという分析が示されている。これまで中国指導部は「一帯一路(現代版シルクロード経済圏構想)」事業に関連する民間プロジェクトをテコにしながら、他国で軍事拠点の確保に努めてきた。中国は巨額の建設資金を貸し出し、港湾を整備してから、債務が膨むと港湾の運営権を奪い、商業港を軍事基地に転換する方式を用いている。

■フラッギングイン方式とは

 船舶を外国法人の名義で登録した後、その国の領海で活動することを指す。船舶に外国の国旗を掲げて偽装するため、「フラッギングイン」と呼ばれる。現地人が代表を務める体裁を取りながら、現地企業の過半数株式を保有したり、現地人に船舶を貸し、その収益を丸ごと持っていく手法などがある。フラッギングイン方式を用いれば、外国籍船舶による操業、外国人船主登録などを禁止する現地規定を回避することができるため、多くの国が脱法・不法行為と見なしている。

ワシントン=イ・ミンソク特派員

【写真】逃げる違法操業中国漁船

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