■「韓国代表チームの運営を批判したら不利益」と主張
安洗塋は2017年、15歳で過去最年少の韓国代表に選ばれた。その後、画一化された協会の選手管理・トレーニング方式とは違うオーダーメード型の管理を希望したが、この過程で協会とよく摩擦を起こし、不利益を被ったと主張している。今年5月のユーバーカップ(バドミントン女子国別対抗戦)準決勝時、出場を希望したのにもかかわらず、出場できなかった。この時、韓国はインドネシアに敗れた。安洗塋はその後、SNSに「ストレスによる急性腸炎の症状が出て、体調の乱れがあった」と明らかにした。しかし、「体調は良くなかったが、プレーすることはできたのに、させてくれなかった。代表は引退し、五輪にも出場しない」と激怒したという。そのうっぷんを今回、吐き出したわけだ。
安洗塋は韓国代表チームを離れ、個人の資格で国際大会に出場できるのだろうか。現在の規定(韓国代表活動期間5年以上、女性は27歳以上)のままではムリだ。キム・ハッキュン韓国代表監督は「昨年から予測していた。協会と法廷闘争をするということだ」と言った。安洗塋は「代表チームを出たからといって五輪に出場できないようにするのは無情だ」と訴えている。
同協会が選手管理システムについて指摘されたのは初めてのことではない。2008年北京五輪金メダリストの李竜大(イ・ヨンデ)は2014年、ドーピングテストを回避したという理由で世界バドミントン連盟(BWF)から1年間の資格停止処分を受けた。ところがこの時、同協会が選手の所在地を間違えて伝え、ドーピングテストがあるのを知らなかったことが明らかになり、再審議の末に懲戒処分が取り消された。2021年にはリオデジャネイロ五輪女子ダブルス銅メダリストの鄭徑恩(チョン・ギョンウン)が青瓦台(韓国大統領府)国民請願ホームページに「韓国代表選抜の過程を巡る疑惑を糾明してほしい」という請願文を投稿した。当時は審査委員の評価点数が選抜に影響を及ぼしたが、委員3人が自分のチームの選手たちを採点していたことが問題視された。
さらに、同協会に関しては、「2018年に中国で開催された世界バドミントン選手権で役員8人には飛行機のビジネスクラスの座席を、選手6人にはエコノミークラスの座席を購入して選手支援をおろそかにした」という報道や、「2017年のオーストラリア・オープン時にもビジネスクラスで出国した役員5人が『戦力上、優勝は難しい』として準々決勝後に早々に帰国した」という報道が、今回の件をきっかけに広まっている。
パリ=キム・ヨンジュン記者、パリ=イ・ヨンビン記者