安洗塋(アン・セヨン、22)=サムスン生命=は5日、2024年パリ五輪バドミントン女子シングルスで優勝した後、「今後、代表チームと共にするのは難しいかもしれない」と告白した。「(2017年の韓国代表選抜以降の)7年間、本当に多くのことを我慢してきた。五輪で優勝したいと思い、がむしゃらにプレーしてきた理由の一つは、自分の声の力(発言力)を高めたいという願いからだった」とも言った。この発言が波紋を呼ぶと、安洗塋は交流サイト(SNS)に「選手管理と保護、意思疎通について話したかった。『韓国代表引退』という表現で曲解しないでほしい。私の言葉について考え、解決してくれる大人がいることを祈る」と投稿した。
■長年の夢をかなえて決意の発言
安洗塋は昨年10月、杭州アジア大会決勝戦中に膝の筋が切れたのにもかかわらず、痛みを我慢してプレーを続けて優勝した。帰国直後、大韓バドミントン協会側の医療機関で行った診察では「2-6週間リハビリすれば試合に出てもいい」という所見だった。ところがケガは回復せず、安洗塋は所属チームを通じて別の病院で再び診察を受けた。この時の状況について、安洗塋は「ケガは思ったより深刻だった。代表チーム側はあまりにも安易に考えていた。その時、ひどく失望した」「個人トレーナーの先生が代表チームのコーチ陣とケンカして泣いていた。ずっと怖かったし、心配だった」と打ち明けた。
トレーニング面でも治療面でも、これまでの同協会の雰囲気は国際大会で多くの成果を挙げてきたダブルス選手が優先されていたことも指摘した。「7年間我慢してきた」という言及はこれを意味するものとみられている。安洗塋は今回の五輪の直前、パリ郊外のフォンテーヌブローに構えたトレーニング・キャンプで足首をくじいた。この時、コーチ陣はケガが外部に知られることを心配していたが、肝心の治療には気が回っていなかったため、安洗塋が「韓国から韓方(韓国漢方)医を連れてきてほしい」と要求して、これを通したという。
韓国代表チーム全38人を管理するトレーナーは4-5人だ。安洗塋は専属トレーナーが別にいたが、同協会との契約更新が不発に終わり、パリに同行できなかった。陳雨菲=中国=、戴資穎=台湾=らライバル選手たちは専属トレーナーとコーチ2-3人がケアに当たっているため、それと比べてしまい、ひどく失望したという。韓国バドミントン界の関係者は「選手団の雰囲気を害する危険性があると知りつつ、安洗塋に専属トレーナーを付けたが、後に契約期間で意見が一致せず合意に至らなかった」と語った。だが、安洗塋側は「特別待遇を望んでいるのではなく、システムを指摘している。他の選手たちもの管理もきちんと行われていない」と反論している。
一方、混合ダブルスで銀メダルを獲得した金元浩(キム・ウォンホ、25)=サムスン生命=と鄭那銀(チョン・ナウン、24)=全羅南道和順郡庁=は6日、パリで記者会見したが、金元浩は「(メダルは)一人だけの力ではできなかった。見えないところで頑張ってくださった方々がいるので、今この場にいられると思う」と語った。鄭那銀も「同じ考えだ。私たちは練習だけに集中できた」と言った。